債券の基礎

ヘッジコストとフォワードレートの決まり方

替ヘッジコストとは、高金利通貨を買って低金利通貨を売った場合に支払う2通貨間の金利差分のコストと考えることができます。外貨の為替リスクを日本円にヘッジする場合、ヘッジコストはヘッジを行う時点における「外貨の金利−日本円の金利」と表されます。特に、フォワード取引を使用した為替ヘッジでは1〜3カ月ものを使用することが多いため、「外貨の短期金利−日本円の短期金利」、または「外貨と自国通貨の短期金利差」とも表現されます。

為替のヘッジコストは、具体的にはフォワード取引を行う際の為替レート(フォワードレート)によって決まります。ここでは、フォワードレートの決定過程を通じて、どのようにヘッジコストが決まるかを見てみます。

例2:現在日本円を100万円保有していて、これを1年間運用し、1年後に日本円で使用

現在:為替レート(スポットレート):1米ドル=100円
日本円の1年金利:1%
米ドルの1年金利:2%

この時、現在の日本円を1年間運用して1年後に日本円として得るには、次の2通りの方法が考えられます。

(1)日本円を1年金利1%で運用

(2)日本円をスポットレート(1米ドル=100円)で米ドルに変換し、米ドルの1年金利2%で運用、1年後に1年後のフォワードレートで(1米ドル=?円)日本円に変換

将来の為替レートを現時点で決めて取引するのがフォワード取引であり、1年後のフォワードレートを使えば、(2)の方法で運用したときの1年後の日本円の金額も計算できることになります。フォワードレートは、通貨間の金利差による有利・不利が発生しない、つまり、原則として米ドル・日本円どちらの通貨で運用しても運用結果は等しくなるように決まるはず1なので、結果として、

1年後のフォワードレート (2-3):1米ドル=99.02 円(1,010,000円÷10,200米ドル

となります。

1 違いがある場合には裁定機会が存在することになるため、結局は違いがない場合の水準まで収束します。裁定機会の詳細についてはここでは触れませんが、この例では運用結果に違いがないものとして扱います。

フォワードレートは、ある時点での2通貨間の金利差を反映するため、例2のように基準通貨(日本円)よりもヘッジ対象通貨(米ドル)の金利が高い場合、フォワードレート(1米ドル=99.02円)はスポットレート(1米ドル=100円)よりも基準通貨高(円高)となります(フォワードレートがスポットレートよりも高い状態)。

この場合、低金利通貨である日本円を売って、高金利通貨である米ドルを買っているので、スポットレートとフォワードレートの差はヘッジコストとなります。

ヘッジコスト=(フォワードレート÷スポットレート)‒1=(99.02/100)‒1=‒0.98%

例2をより一般的に表すと、以下のようになります。

S: ドル円のスポットレート
F:フォワードレート
rJPY:日本円の金利
rUSD:米ドルの金利

つまり

例2で計算してみると、

S:ドル円のスポットレート:100円
rJPY:日本円の金利:1%
rUSD:米ドルの金利:2%


フォワードレート=100×(1+0.01)/(1+0.02)=99.02

となります。

また、この式に近似を適用することで、「ヘッジコスト≒通貨間の金利差」と
考えることができます。

例2で計算してみると、

となり、日本円と米ドルの金利差(1%-2%)がヘッジコストとして求められます。

エマージング国通貨のように比較的金利が高い通貨を対象とする場合には近似誤差が大きくなるため、注意が必要です。

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