トピック1:金利が債券のパフォーマンスに与える影響

金利が債券にどのような影響を与えるのかについては、十分に理解されているとはいえません。債券市場をより深く知りたい投資家にとっては、債券と金利の関係を知ることが極めて大切です。

レジットカードや消費者ローン、あるいは住宅ローンを通じて、多くの人にとって金利は馴染みがあるでしょう。しかし債券における金利の影響は、あまりよく理解されていません。債券市場をより深く知りたい投資家にとって、債券と金利の関係を知ることは極めて重要です。

金利の決定要因

金利は金銭を借りるときの費用であり、経済システムにおいて重要な役割を果たすものです。 その最も基本的な役割は、経済を機能させるために必要な金銭の貸し付けや預貯金をできるようにすることです。

多くの先進国には、中央銀行が他の銀行に貸し付ける際に適用される基準となる金利があります。これを基準金利または政策金利と呼びます。中央銀行は、経済の状況に応じて、この金利を引き上げたり引き下げたりします。

景気が急拡大している場合やインフレが高すぎる場合には、中央銀行は金利を引き上げるでしょう。民間銀行はそれに応じて貸出金利を引き上げるため、借入れ費用は上昇します。また預金金利も引き上げられるため、貯蓄の魅力が増します。

反対に景気後退時には、中央銀行は基準となる金利を引き下げるでしょう。それによって、民間銀行は貸出金利を引き下げ、借入れや消費を促しますが、その一方で貯蓄の魅力は薄れます。

短期金利 vs. 長期金利

中央銀行は、国の短期金利決定の責任は負いますが、長期金利をコントロールすることはできません。

長期債券の価格を決めるのは、市場での需要と供給です。

たとえば、市場参加者は中央銀行が金利を下げ過ぎるとインフレ率上昇の可能性を懸念します。そして、そのリスクに見合うよう、長期債の発行者は高めの金利で発行するようになり、その結果、長期債と短期債の関係を表す利回り曲線(イールドカーブ)の右肩上がりになります

イールドカーブに関するより詳細な説明は、シリーズ2:トピック 3-イールドカーブとその重要性 をご参照ください。

「投資する時期より、投資している時間が大切」投資を継続するメリットを検証シリーズ2の「ケーススタディ」をよむ

金利が債券に影響を与える理由

債券価格は金利と逆相関の関係にあります。つまり、金利が上昇すれば債券の価格は下がり、金利が下がれば債券の価格は上昇します。

これは、債券価格がクーポン(金利)収入の価値を反映するためです。市場の実勢金利(通常は国債利回り)が低下すると、より高いクーポンを持つ古い(既発行の)の債券の価値が上がるでしょう。投資家は、そのような債券を流通市場で売却する場合、プレミアム(追加料金)を要求することができます。

反対に市場の実勢金利が上昇すると、市場で売り出されている新しい債券と比べてクーポンの低い古い債券は価値が下がるでしょう。こうした古い債券は価格が下がり、ディスカウント(額面割れ)で取引されることになります。

金利の変化がもたらすリスクを金利リスクと呼びます。

債券の価格に関するより詳細な説明は、シリーズ1、トピック 5-債券価格と運用成果に影響を与える要因 をご参照ください。

金利上昇は常に債券にとってマイナスか

短期的には、金利の上昇は債券ポートフォリオにマイナスの影響を与えます。

しかし長期的には、金利の上昇によって債券ポートフォリオ全体のリターンが向上する可能性があります。満期を迎えた債券の資金を、より高い利回りの新しい債券に再投資できるからです。

金利上昇局面に関するより詳細な説明は、シリーズ2、トピック 4-金利上昇時に投資家がとるべき行動 をご参照ください。