トピック3:イールドカーブとその重要性

債券の見通し、市場、あるいは経済全般について語る際、投資家や専門家らは「イールドカーブ(利回り曲線)」という言葉をよく使います。しかし頻繁に使用されている割に、投資家にはあまり理解されていない概念です。

券の見通し、市場、あるいは経済全般について語る際、投資家や専門家らは「イールドカーブ(利回り曲線)」という言葉をよく使います。しかし頻繁に使用されている割には、投資家に十分に理解されていない概念です。

利回りとは?

イールドカーブ(利回り曲線)の概念を理解する前に、まず「利回り」(イールド)という言葉に慣れる必要があります。利回り(イールド)とは、単純に言えば年間の投資リタ―ンのことです。債券の場合、それは購入価格と支払われるクーポンによって決まります。

債券の投資家は、債券同士を比較するために、「最終利回り」と呼ばれる利回りをよく使います。最終利回りは、債券を満期まで保有した場合に投資家が最終的に手にする利益、つまりすべての利払い金と、購入時からの元本価格の上昇、または下落分を反映したものです。

債券のリターンに関する詳しい説明は、シリーズ 1、トピック 2―債券が利益(リターン)を生む仕組み をご参照ください。

イールドカーブとは?

イールドカーブとは利回り曲線とも呼ばれ、一定数の債券について、満期までの利回りと満期までの期間の関係を示す折れ線グラフのことです。

イールドカーブ上の債券は、同じ資産クラスで同じ信用度である必要があります。イールドカーブは、満期の違いのみによって生じる債券の利回り差異を表すものであるため、この点は重要です。利回りと満期のこの関係は、金利の「期間構造」として知られています。

イールドカーブは、どのようなタイプの債券についても作成することが可能です。最も頻繁に使用されるものは国債のイールドカーブです。それは、それらの債券には(政府が保証していることから)明らかに目に見えるような信用リスクはなく、3ヵ月から30年まで(米国債の場合)、広いレンジの満期をカバーしているためです。

イールドカーブの形状が示す意味は?

イールドカーブの形状は、将来金利の上昇が予想されているのか低下が予想されているのかを教えてくれます。たとえば、右肩上がりの場合には、市場は金利が上昇すると考えています。

カーブの傾きは、投資家の将来の金利の見方、ひいては経済の見通しを示すことから、経済環境を表す良い指標と言えます。

下の図は、よくみられる3つのイールドカーブの形状と、それらが意味する内容について説明しています。

通常のイールドカーブ

通常のイールドカーブは右肩上がりです。この形のイールドカーブは、満期までの期間が長い債券の利回りの方が高くなっていることを示しています。

このタイプのイールドカーブは、経済が成長する景気拡大時に見られるのが一般的です。

そのような環境では、投資家はインフレと将来の金利の上昇の見返りとして、長期債券には高い利回りを要求します。

フラットなイールドカーブ

フラットなイールドカーブは、景気が拡大から後退に向かう時期、あるいはその反対の時期にみられます。

最もよくみられる例としては、急激な経済成長を抑えるため、中央銀行が金利を引き上げるときです。この場合、金利引き上げに応じて短期金利が上昇し、インフレ期待が収まっていくため、長期金利は低下します。

逆イールドカーブ

時に長期債の利回りが短期債よりも低くなり、イールドカーブが右肩下がりとなることがあります。

この形はそれほど頻繁には見られませんが、金利とインフレ率がどちらも下降している景気後退時に見られるのが一般的です。

過去の例では、景気後退が始まる12ヵ月から18ヵ月程度前に。イールドカーブが反転しています。

投資家によるイールドカーブの活用方法

債券投資を検討するにあたって、投資可能な異なる債券を比較するのに、イールドカーブは便利なツールです。国債のイールドカーブは、発行体リスクがほぼないといえるため、よく利用されます。なぜなら何らかのリスクをもつ他の債券のベンチマークとなりうるからです。

たとえば、3年満期のある社債が、発行体リスクの違いにより、3年国債よりも利回りが0.5%高く設定されるといったことが考えられます。

イールドカーブは経済状態をみる一つの指標と考えられることから、投資家はそれをより広い投資判断の先導役として利用することもできます。