PIMCOの視点

2015年にアジア・パシフィック地域の投資家が注目する5つのテーマ

​リターンの見通しが低下する中で、アジア・パシフィック地域の投資家は、マルチ・アセット戦略、ベータの改善を目指した戦略、インカム戦略、オルタナティブ戦略に注目しています。PIMCOでは、トップダウンのマクロ経済見通しと精緻な現場での調査を組み合わせた実績のある運用プロセスを活用して、これらのテーマに取り組んでいきます。

こ数カ月間、私はアジア・パシフィック地域の投資家の皆様を訪問する機会に数多く恵まれました。日本、日本以外のアジア諸国、オーストラリア、ニュージーランドは、総合すると大規模で多様性に富んだ経済圏と言えますが、この地域の投資家は以下の5つの重要なテーマを共有していることがわかりました。

  1. 先行きのリターンの低下見通し
  2. マルチ・アセット戦略に対する注目
  3. 債券、株式市場における伝統的なベータの枠組みを超えたリターンの追求
  4. インカム重視の運用戦略の選好
  5. オルタナティブ戦略の潜在的な魅力を活用する姿勢の強まり

2015年に、PIMCOでは、トップダウンのマクロ経済見通しと精緻な現場での調査を組み合わせた実績のある運用プロセスを活用して、これらのテーマに取り組んでいきます。

テーマ1: 先行きのリターンの低下見通し
昨年12月のPIMCOの短期経済予測会議(シクリカル・フォーラム)でも確認されたように、長期的な政策金利と市場のリターンが低い水準で推移するという「ニュー・ニュートラル」の現実を、市場は概ね織り込んでいます。原油価格の下落により、一時的に、一部国や地域の経済が押し上げられる一方で産油国経済が悪影響を受ける結果、グローバルな経済成長には全般に中立的かややプラスの影響が及ぶ可能性があります。もっとも、短期的にそのような展開になったとしても、長期的には、利回りの低い状況が例外的ではなく一般的になることが引き続き予想されます。

今回の短期経済予測会議にご参加いただいた米連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ前議長は、世界の中央銀行は金融政策を決定する上で引き続き実体経済の成長に注目する可能性が高いと示唆しました。経済が緩やかなペースで成長する結果として政策金利が低水準にとどまる見通しであることを踏まえると、市場のリターンが近年に見られたような極めて高い水準に達する可能性は低く、伝統的な株式と債券のリターンが現代の運用ポートフォリオの柱としての役割を果たす余地は小さくなるでしょう。

テーマ 2: マルチ・アセット戦略に対する注目
引き続き、リターンを獲得する広範な機会を生かすため、単一の資産クラスよりも優れたマルチ・アセット戦略に投資家の強い関心が寄せられています。アジア・パシフィック地域では、マルチ・アセット戦略は分散効果と複数の資産へのアクセスが期待されることから、オフショアでの資産運用を開始されるお客様にとって、特に魅力的といえるのかもしれません。また、下方リスクを限定しつつ裁量の余地が大きくリターンの目標が高い戦略へのシフトを目指すお客様にとっても有効だと考えられます。

PIMCOでは、実質リターンを志向する戦略、PIMCOの「最善の投資アイデア」を幅広く取り入れた戦略、下方リスクを明示的に管理しつつ絶対収益を追求する戦略など、トラックレコードの長いマルチ・アセット戦略を幅広く提供しています。

テーマ3: 伝統的なベータを超えたリターンの追求
PIMCOでは、数十年にわたって、伝統的な債券、株式のベータを拡充することを目標とする革新的な戦略を提供してきました。近年では、伝統的なベータに限界が見られると同時に、お客様の運用目的の達成に貢献できるような「スマート・ベータ」や「流動性の高いオルタナティブ・プロダクト」があることから、お客様の需要が高まっています。

債券型の戦略として、PIMCOのアンコンストレインド戦略では、ベンチマークの制約を受けることなく、伝統的な債券のリターンを上回りアルファを獲得することを目指しています。この戦略は、金利感応度を調整しグローバルな投資機会を提供する機能を通じて、リターンが低い環境下で有益な柔軟性を提供します。同じように、タイミングを見極めながらクレジット、モーゲージ、コモディティのアルファの源泉を見いだす戦略も、ポートフォリオの価値を高める可能性があります。

株式型の戦略として、米国リッパー社の大型株最優秀運用会社賞を4回(2010、2011、2012、2013年)受賞した戦略を含むPIMCOのストックス・プラス戦略に、ファンダメンタルズ・インデックスに基づく一連の戦略が加わりました。この新戦略は、PIMCOのパートナーであり、ファンダメンタルズ・インデックスの先駆者であるリサーチ・アフィリエイツ社と共同で開発されたものです。伝統的な時価総額加重インデックスでは割高株の比重が高い傾向がありますが、ファンダメンタルズ・インデックスは、ファンダメンタルズ対比で割安な銘柄を買う一方で、ファンダメンタルズ対比で割高な銘柄を売ることによって、伝統的なインデックスを構造的にアウトパフォームすることを目標としています。PIMCOのポートフォリオ・マネージャーにより、このような「スマート・ベータ」のアプローチに債券のアクティブ運用の要素が加えられ、魅力の高い運用商品となっています。

テーマ4: インカム重視の運用戦略
PIMCOのお客様は、人口動態のトレンドや市場の現実を踏まえて、インカムを重視するようになっています。世界中で高齢化が進む中、安定的なインカムが注目されることは自然な流れであり、また、長期的な市場のリターンが不透明であることから、お客様は短期的にインカムの獲得を目指す姿勢を強めています。 PIMCOのインカム戦略の運用は、グループ最高投資責任者(グループCIO)のダニエル・アイバシンとマネージング・ディレクターのアルフレッド・ムラタが担当しています。アイバシンとムラタは共同で、米国モーニングスター社より2013年の最優秀債券マネージャー賞を受賞しました。堅固なリスク管理を蔑ろにすることなくインカムを追求することを目的に、投資家は引き続きこの戦略を活用しています。

このほか、アジア・パシフィック地域のお客様は、インカムを重視する戦略として資本性証券戦略に興味を示しています。この戦略は、銀行株や伝統的なハイイールド債をアウトパフォームする可能性のある証券を見いだすために、マクロ経済分析と精緻なクレジット・リサーチを統合したものです。

テーマ5: オルタナティブ戦略の模索
PIMCOのオルタナティブ戦略は、相関の低いアルファの源泉に注目することによって、ポートフォリオのボラティリティを抑えつつ、高いリターンを達成することを目標としています。

アジア・パシフィック地域では、オルタナティブ戦略に対するアプローチは多様です。ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドへの直接投資を好むお客様やファンド・オブ・ファンズへの投資を選好するお客様が存在する一方、主として共同投資の機会を模索するお客様も存在しています。PIMCOでは現在、ヘッジファンド戦略(グローバルマクロ、レラティブ・バリュー、コモディティ)とプライベート・エクイティ戦略(不動産、クレジットのオポチュニスティック戦略)を提供しています。また、オルタナティブ戦略を担当するポートフォリオ運用チームが見いだす機会を活用するべくこの重要な分野のビジネスを成長させ、この分野へのお客様の需要の拡大にお応えすることを計画しています。今後数カ月間に、この重要な投資機会についてお客様とさらにお話させていただくことを楽しみにしています。

以上の5つはこれが全てというわけではありませんが、アジア・パシフィック地域の多くのお客様が優先する2015年のテーマと言えるでしょう。

最後に、時間を割いて運用のニーズや優先順位に関するお話を共有してくださったお客様に感謝いたします。このような対話を通じて、PIMCOがお客様に提供するサービスは改善されます。PIMCOでは、どのような形であれ可能な限りお客様をサポートさせていただきます。2015年のお客様のご健勝、ご多幸と繁栄を心からお祈り申し上げます。

著者

Eric J. Mogelof

米国グローバル・ウェルス・マネジメントの統括責任者

プロフィールを見る

Latest Insights

PIMCOの視点

国連の持続可能な開発目標:影響度によるパフォーマンスの測定

PIMCOのESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みの重要な目的の一つは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を対話に取り入れることです。PIMCOがESGへの取り組みを進めていく際、どこに重点を置き、どう説明責任を果たすのか、そして最終的には影響度合いを測る際の枠組みの一つになりうるからです。

ご留意事項

絶対収益ポートフォリオは株式市場が好調な場合でも追随するリターンとならない場合があります。債券市場への投資は市場、金利、発行者、信用、インフレ、流動性などに関するリスクを伴うことがあります。ほぼ全ての債券及び債券戦略の価値は金利変動の影響を受けます。デュレーションの長い債券及び債券戦略は、より短い債券及び債券戦略と比べて金利感応度と価格変動性が高い傾向にあります。一般に債券価格は金利が上昇すると下落し、現在のような低金利環境ではリスクが高まります。債券取引におけるカウンターパーティーの取引能力の低下が市場流動性の低下や価格変動制の上昇をもたらす可能性があります。債券への投資では換金時に当初元本を上回ることも下回ることもあります。株式の価値は一般的な市場、経済、産業の実体と見込み両方の状況によって減少する可能性があります。外貨建てあるいは外国籍の証券への投資には投資対象国の通貨価値の変動や経済及び政治情勢に起因するリスクを伴うことがあり、新興成長市場への投資ではかかるリスクが増大することがあります。コモディティは市場、政治、規制、自然などの条件により高まるリスクを伴い、すべての投資家に適しているとは限りません。モーゲージ担保証券や資産担保証券は金利水準の変化に対する感応度が高い場合があり、期限前償還リスクを伴い、また、一般的には政府または民間保証機関による何らかの保証が付されていますが、民間保証機関が債務を履行する保証はありません。高利回りで低格付けの証券はより高格付けの証券よりも高いリスクを伴います。また、それらへ投資しているポートフォリオは投資していないポートフォリオに比べてより高いクレジット・リスクと流動性リスクを伴う場合があります。デリバティブ商品を利用することにより、コストが発生する可能性があり、また流動性リスク、金利リスク、市場リスク、信用リスク、経営リスク、そして最も有利な時点でポジションを清算できないリスクなどが発生する可能性もあります。デリバティブ商品への投資により、投資元本以上の損失を被る可能性もあります。

「スマート・ベータ」とは、伝統的な時価総額加重インデックスよりも優れたリスク・リターン特性を目指して設計されたベンチマークを意味します。PIMCOの「流動性の高いオルタナティブ商品」には、伝統的なプライベート・エクイティ・ファンドやヘッジファンドに付随する元本解約不能期間がなく、その時点の市場環境次第ではお客様の要請に従い現金化可能なセパレート・アカウント、日次で純資産価額にて現金化可能なミューチュアルファンド、通常の市場環境では流通市場において現金化可能な上場投資信託(ETF)があります。有価証券が適時に、または最も有利なタイミングで現金化される保証はありません。

金融市場の動向に関する記述は現在の市場環境に基づくものであり、市場環境は変化します。本資料で紹介した投資戦略が、あらゆる市場環境においても有効である、またはあらゆる投資家に適するという保証はありません。投資家は、自らの長期的な投資能力、特に市場が悪化した局面における投資能力を評価する必要があります。戦略はすべての投資家に適しているとは限りません。投資判断にあたっては、必要に応じて金融またはその他の専門家にご相談ください。戦略の有効性は一定の投資形態に限定されます。すべての投資形態がすべての投資家に利用可能であるとは限りません。投資判断にあたっては、必要に応じて投資の専門家にご相談ください。

The Morningstar Fixed Income Fund Manager of the Year award (2013) is based on the strength of the manager, performance, strategy and firm's stewardship. Morningstar named Dan Ivascyn and Alfred Murata the 2013 Fixed Income Manager of the Year (US). 米リッパー社の大型株最優秀運用会社賞(The Lipper Large Company Equity Manager of the Year Award)は、同業他社との比較で一貫してリスク調整後のパフォーマンスを達成したファンド・グループを表彰するものです。

個別の商品への言及は当該商品の推奨や勧誘を意図するものではありません。

本資料には、本資料作成時点でのPIMCOの見解が含まれていますが、その見解は、予告なしに変更される場合があります。本資料は情報提供を目的として配布されるものであり、投資助言や特定の証券、戦略、もしくは投資商品の推奨を目的としたものではありません。本資料に記載されている情報は、信頼に足ると判断した情報源から得たものですが、その信頼性について保証するものではありません。