寄稿文

企業・団体 SDGsへ連携を

日本経済新聞夕刊十字路(2022年2月2日付)

企業と団体が委託者・受託者としてうまく提携することにより、大きなインパクトを社会に与えることが可能であると考えられます。

環境・社会を持続させながら事業を発展させる経営が主流となるなか、企業にとって非政府組織(NGO)やNPOが重要なステークホルダーとなりつつある。

企業の寄付活動などは行われてきたが、利益還元を通じた社会的責任(CSR)、つまり事業価値の補完的要素が強かった。昨今の先進的企業は、事業を社会課題の解決手段と再定義して昇華させる一方、関連分野のNGOなどと協働して社会的インパクトをさらに高めようとしている。資生堂は、「美の力によるエンパワーメント」と称して事業を通じた多様な社会の実現を目指す一方、NGOとの提携により女子教育国際支援にも力を入れている。

NGOなど社会貢献団体にとっては支援を拡大する好機だ。では、よきパートナーとして求められるものは何か。受託者としての意識、責任をあげたい。

そもそもこれらの団体は社会課題に目を向ける善意によって設立されたものであるから、支援先にフォーカスするのは当然だ。一方、企業や個人などを委託者、支援先を受益者とするエージェントであるともいえ、そこには受託者責任がある。委託者の拠出形態には寄付・物的及び人的拠出があるが、これが「どのように生かされ、どういったインパクトを社会に与えているのか」について十分に説明しているであろうか。団体自身の持続可能性も企業が継続的に支援するためには重要だ。将来の経営リスクの分析・開示などは十分であろうか。

一方、企業もSDGs(持続可能な開発目標)項目を達成するためのNGO・NPO頼りでは困る。社会課題の解決を目指す委託者として能動的に関わりたい。企業と団体が委託者・受託者として提携できれば大きなインパクトを社会に与えられるはずだ。

著者

Tomoya Masanao

ピムコジャパンリミテッドの日本における代表者兼アジア太平洋共同運用統括責任者

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日本経済 世界の潮流の中で

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グリーン経済への移行、デジタル化・自動化の加速、格差是正という大きな世界の潮流を見据えて、日本の政策対応の見直しが望まれます。