投資を理解する オルタナティブ投資を理解する オルタナティブ投資は市場の不確実性上昇時に、ポートフォリオの分散機会を提供します。しかし、さまざまな選択肢があるなかで、投資家ははじめにリスクとメリットを十分理解する必要があります。
オルタナティブ投資 は、ポートフォリオを 分散 し、市場のボラティリティの影響を抑制したい投資家にとって有意義な投資機会を提供し、市場環境が不透明な時においても長期的な投資目標達成に寄与する可能性があります。 そのような潜在メリットを享受するためには、当然ながら投資がより複雑なものになり、リスクも増します。従って投資家は、自らのポートフォリオにおけるオルタナティブ投資の役割について、十分な情報に基づく判断ができるよう、さまざまな戦略についての理解を深めることが不可欠となります。 オルタナティブ投資の定義 今後10年間、伝統的な運用によるリターンは年率4%程度と予想されるなか1、機関投資家も個人投資家も、分散投資とリターン目標達成のためにオルタナティブ投資へ益々注目するようになっています。 そもそも、オルタナティブ投資とは何でしょうか。簡単に言えば、伝統的な株式や債券に対する ロングポジションだけの投資以外のすべての投資を指します。オルタナティブ投資は、伝統的な投資との相関が低くなる傾向があり、その異なるリターン特性から、主として投資ポートフォリオ分散のために利用されています。 低い 流動性に耐えられる大手機関投資家の場合、ヘッジファンド、プライベート・エクイティ、オルタナティブ・クレジット、不動産などを合わせたオルタナティブ投資を行う場合もあります。個人投資家の場合、こうした投資対象に加えて、ビンテージ車や希少価値のあるワイン、美術品なども含まれる場合があります。 このように投資は多岐の種類にわたるため、ポートフォリオに組み込む前に、それらのオルタナティブ投資固有のリスクとメリットを十分に理解しておくことが大切です。 オルタナティブ投資の重要な特徴 オルタナティブ投資には幅広い範囲の資産や戦略が含まれていますが、一般的には以下のような特徴があります。 株式や債券などの伝統的な投資との低い相関 伝統的な投資よりも高い潜在リターン 一般的に馴染みが薄く、多くは非流動的な資産 売買ができない「ロックアップ」期間が長く、持ち分の換金・売却を日次ではできない。それにより、流動性の低い資産の組み入れが可能 多くは複雑な投資構造とリスク・リターン特性を持つ 必要最低投資額は一般的に高額 投資前に理解すべき固有のリスク特性を持つ オルタナティブ投資に向いている投資家のタイプ オルタナティブ投資はすべての投資家に適しているわけではありません。独特なリスク・リターン特性と複雑な投資の性格から、より豊富な経験と知識を持つ富裕層の投資家にとって魅力的で相応しい投資である場合が多いといえます。 最低投資額と適合性要件の充足に加えて、投資家はオルタナティブ投資に資金を向ける前に、投資期間、投資目的、市場のボラティリティが上昇した際に耐えられるかを考える必要があります。 人気のあるオルタナティブ投資戦略 オルタナティブ投資は最近徐々に人気が高まっています。今日では、リスク・リターン特性の異なる、固有の目的達成を目指す一連のオルタナティブの投資戦略が揃っています。以下の戦略は、その中の代表的なものです。 オルタナティブ・クレジット オルタナティブ・クレジット投資とは、公募市場にアクセスできない企業や、標準的ではないカスタマイズされた融資条件を必要とする企業に対する流動性の低い資金提供です。オルタナティブ・クレジット投資に含まれる融資の種類には、直接融資、メザニンファイナンス、ディストレスト債務、スペシャリティ・ファイナンスなどがあります。 プライベート・エクイティ プライベート・エクイティ投資(通常はリミテッド・パートナーシップを通した投資)は、一般に未上場企業の株式を保有する投資です。新規事業の成長を支援するために資金を提供し、営業上非効率な既存事業をリストラして付加価値を生み出すことにより、長期的に大きな利益獲得を目指す投資です。 ベンチャー・キャピタル ベンチャー・キャピタルの投資家は、その後大きな成長が期待される創業間もない企業に、資本持ち分と引き換えに資金を提供します。合併や新規株式公開を通じてその持ち分を売却することを念頭に、企業を育てることが目標です。 不動産 不動産は、上場および非上場リート(REIT)や、私募の商業不動産債務など、多様な種類の資産クラスに進化してきました。不動産は株式との相関が低いだけでなく、インフレに対するヘッジ手段とも考えられています。 ヘッジファンド ヘッジファンドは、包括的にポートフォリオの潜在リターンと分散を最大化するために、さまざまな非伝統的な戦略(例えば、ペアトレードやロング・ショート戦略など)を使う投資ビークルです。非伝統的な戦略の例としては、以下のようなものがあげられます。 オルタナティブ・リスク・プレミアム戦略 オルタナティブ・リスク・プレミアム戦略は、認識可能で抽出可能なリスク要因へのエクスポージャーを通じて「プレミアム」を獲得することで、魅力的なリターンを狙うものです。 一般的には、伝統的な資産クラス内で、ロングポジションとショートポジションにレバレッジをかける戦略です。 マネージド・フューチャーズ マネージド・フューチャーズはトレンド(モメンタム)に追従する投資戦略で、定量的なシグナルを使用して証券の動向のタイミングを計ります。一般的にそれらのシグナルは、現在の(スポットの)資産価格を、それ以前の(ヒストリカルな)価格の移動平均と比較したもので、そのトレンドに基づいて投資を行います。もしスポット価格が移動平均を超えれば、その証券は上昇傾向にあり、逆の場合は下降傾向となります。 グローバル・マクロ戦略 グローバル・マクロ戦略は全世界の市場や資産クラスに投資し、主として経済や政治に関する広範な分析に基づいて、(相対的な価値に基づく)レラティブ・バリューと(市場の方向性に基づく)ディレクショナル両方のポジションをとる戦略です。システマチック・グローバル・マクロ戦略では、市場の動きを評価し予測するためにコンピュータを使ったモデルを活用し、ポートフォリオ・マネージャーは、戦略が許す裁量の範囲内で売買の判断を行います。 リターン目標とリスク水準はオルタナティブ戦略や投資ビークルの種類によって異なります。 PIMCOのオルタナティブ戦略に関する詳細は、ホームページの「オルタナティブ投資」のページをご覧ください。 1 出所: PIMCO 2019年12月31日現在 リターンは60/40ポートフォリオ(60%が米国株式、40%が米国のコア債券のポートフォリオ)のリターンを表示
PIMCOの視点 欧州データセンター市場の拡大を促進する要因とは?(video) 欧州のデータセンターの基本的な状況を概観した上で、これが長期的な成長トレンドであるとPIMCOが確信する理由をご説明します。今回の独占インタビューでは、PIMCOのポートフォリオ・マネージャーであるキリル・ザボドフが、Apto社の最高経営責任者(CEO)であるラッセル・プール氏と共に、この分野における今後の見通しと投資機会について議論します。 PIMCOのオルタナティブ投資について
PIMCOの視点 データセンター、集合住宅、物流施設などの不動産への投資機会(video) 景気後退懸念の中で魅力的なリターンを追求するために、公募・私募市場のデットとエクイティ市場で魅力的なセクターについてお話します。
注目の運用戦略 インカム戦略アップデート:レジリエンスとキャピタルゲインの可能性に備える 利回りが魅力的で、景気が悪化した場合にキャピタルゲインの可能性がある、質が高く流動性の高い債券に大きな価値を見出しています。