PIMCOインカム戦略

(2017年8月-10月の間に日経電子版PRページに掲載された内容をピムコジャパンが編集し、数字をアップデートしたものです。)

融緩和からの脱却や保護主義台頭への不安、地域紛争などによる地政学リスクの増大など、世界経済はこれまでにない状況に直面しています。こうした運用環境の中で安定的に良好なパフォーマンスを実現してきたのが、「PIMCOインカム戦略」です。その運用哲学と手法について、 投資信託営業部 バイス・プレジデントの木村総一がQ&A形式でご説明します。

金融市場の潮目が変わり運用力の違いが際立つ時代に

問:ブレグジット(英国のEU離脱)やトランプ政権の発足など、専門家の予想を覆す出来事が続いています。資産運用の観点から、現状をどう見ていますか。

木村: 債券運用に携わる立場から見ても、潮目が大きく変わる時期に入ったと実感します。過去10年間は、金利低下が債券運用の追い風となっていましたが、今後は緩やかな金利上昇局面に転じる見込みです。

一方、米国の景気拡大期が過去最長まであと1年に迫るという空前の好況で、信用スプレッドは過去20年で最低水準にまで縮小し信用リスクの対価として得られる利回りは相対的に小さくなっています。このため、金利リスク、信用リスクのどちらかを選択しながら高パフォーマンスをめざすという、これまでの債券運用の定石では対応が難しくなっていると言えます。
とはいえ、中長期的に安定した収益を期待できるという債券投資の魅力が失われたわけではありません。むしろ、運用力の違いが際立つ時代に入ってきたと考えられます。

実績あるマクロ経済予測と、投資対象の厳選により安定したパフォーマンスを実現

問:かじ取りの難しい運用環境にあって好パフォーマンスで注目されるのが、PIMCOインカム戦略です。その運用手法とは、どのようなものでしょうか。

木村: 債券投資が難しい環境に直面しているなか、債券投資から獲得されるインカム収益を積み上げることの重要性は変わりません。PIMCOインカム戦略においても債券投資のベースとなるインカム収益の積み上げを軸としながら、着実なパフォーマンスを目指します。PIMCOは債券のアクティブ運用において世界をリードする運用会社であり、その運用規模のみならず、実績を高く評価されてきました。

PIMCOの運用プロセスにおいて重要な役割を果たすのが、四半期に一度米国カリフォルニア州の本社で開催される「経済予測会議」です。同会議では今後の世界経済や金融市場の見通しを予測するために、世界各地の拠点から運用プロフェッショナルが一堂に会して徹底的に議論をします。

特に今後3~5年程度の期間での見通しを予測する長期経済予測会議では、PIMCOの運用プロフェッショナルだけでなく米連邦準備理事会(FRB)前議長や各分野における外部の著名な研究者などを会議に招へいし、多様な観点から分析を進めることで予測精度を高めてきました。実際、PIMCOの経済予測会議から生まれた「ニュー・ノーマル」「ニュー・ニュートラル」といった経済・金融市場におけるパラダイム変化を予測した見通しは、世の中に大きなインパクトを与えてきました。こうした表現を、オバマ前大統領など各国および企業のリーダーが引用してきた点にも、その影響の大きさが表れています。

PIMCOインカム戦略では、こうした実績ある経済予測によるトップダウン・アプローチを最大限に活用し、債券セクターの配分比率を機動的に変化させることで着実なパフォーマンスをあげてきました。また、PIMCOは債券運用における専門性を高めてきた中で、多種多様な世界の債券市場のセクターに運用スペシャリストを配しており、各債券セクターにおいてボトムアップ・アプローチによる投資対象の厳選を行っています。


●各債券市場のスペシャリストによる投資のベストアイデアを集約

 

問:トップダウンとボトムアップを融合して、幅広く投資しているのですね。

木村: その通りです。この戦略はPIMCOの実績ある経済予測によるトップダウンと、各債券セクターのスペシャリストによる投資対象の厳選(ボトムアップ)を融合することで、PIMCOのベストアイデアを体現する債券運用戦略といえます。また、PIMCOでは創業以来、長年にわたる債券運用を通じて膨大な取引データを蓄積してきました。例えば、モーゲージ債は1970年代に米国で誕生した当時から、同市場への投資を行ってきました。まさに長期にわたり蓄積してきた実際の取引データの活用がパフォーマンスに大きな影響を与えています。また、モーゲージ債の裏付け資産となる住宅ローンや住宅市場に関する分析においても、PIMCO独自の分析モデルを構築してきました。このように、債券運用の専門性を高めることを通じて一朝一夕では成し遂げられない運用プラットフォームを築いてきました。PIMCOインカム戦略においてもこうしたPIMCOならではのデータベース、分析ツールがフル活用されています。

問:インカム戦略で投資対象を選別する際に重視しているポイントは?

木村: 当戦略では、利回り(インカム)の獲得を目指すとともに、インカムを含めた収益の裏付けとなる債券の発行体の「債務返済能力」を重視しています。これは、魅力的な利回り水準を提供する債券であったとしても、債務不履行(デフォルト)に陥ればリターンを大きく毀損する可能性が高いからです。このように、インカムの水準だけでなく、その「質」についても徹底的に分析を行います。

こうした質を重視する例として、2014年から15年にかけて行ったロシア債券への投資例をご紹介します。14年当時、インカム戦略ではロシア債券への投資を行っていましたが、当時のロシアは原油価格の下落やウクライナ情勢の悪化などを受けて経済成長も低迷していました。しかしPIMCOでは、同国を取り巻く環境の悪化を踏まえても、債務返済能力が高い状態が継続しており、返済能力対比では相対的に高い利回りを提供していた同国の債券は、投資妙味が高いと判断して保有を継続しました。結果として、14年にロシア債券の価格は下落しましたが、15年には反発し、インカム戦略のパフォーマンスにおいても大きなプラス要因となりました。このように短期的な債券価格の変動によって判断を行うのではなく、債券投資の本質でもある、「質=債務返済能力」を見極めることが重要だと考えています。

問:多様な戦略を駆使して収益を積み上げた結果が、好実績となっているのですね。

木村: 2017年10月末時点で、米国籍の代表口座は年初来のリターンが8.4%と、米国のアクティブ運用型債券ファンドのトップ5%に入る好実績でした1。しかも、運用開始以来10年間のリターン9.8%のうち、7.1%はインカム収益であり、債券投資の肝である「インカムの積み上げ」を軸としながら、着実なパフォーマンスを追求してきたことが分かります(リターンはいずれも米ドルベース、報酬控除前)。こうした実績と今後への期待などから世界中から資金流入が急増し、運用残高はおよそ21.3兆円にのぼっています。当戦略で運用されている米国籍のファンドは米国最大のアクティブ債券ファンド2です。

問:国内での評価はいかがでしょうか。

木村: 日本の投資家向けには、2014年3月からインカム戦略の提供を開始しました。3年半を経て、運用残高は2017年10月末時点で約9,200億円に上っています。特に、17年に入ってから、残高が急伸しました。これまで信用力の高い債券に投資していた資金が、より高い運用力や収益力を求めて流入していると分析しています。

特に支持されているのは、従来型の運用では収益を得にくくなった円ヘッジ型です。PIMCOインカム戦略はヘッジコストを負担してもなお収益を見込めるため、円資産の着実な運用をめざす投資家からも評価が高いわけです。今後も、中長期の安定運用先としてPIMCOインカム戦略を組み入れる投資家が増えるものと見込んでいます。


●PIMCOインカム戦略と米国株式のリターン要因分析比較(過去10年間、米ドルベース)

期間:2007年6月末-2017年6月末 出所:PIMCO、ブルームバーグ
PIMCOインカム戦略は2007年3月からPIMCOが運用する代表口座(米ドルベース、報酬等控除前)
米国株式はS&P 500



●世界で約21.3兆円の残高を誇り、日本のお客様からの預かり残高も9,200億円突破


1 Bloomberg調べ
2 米国モーニングスター社(2017年10月末現在)

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