多様な債券投資

この数十年で、世界の債券市場は100兆ドルの規模に拡大しました。これほどの規模の市場になると投資する債券の選択肢は広がり、さまざまな投資方法も存在します。さまざまな債券投資の手法を理解する 5分

この数十年で、世界の債券市場は100兆ドルの規模に拡大しました。これほどの規模の市場になると、投資家にとって債券の選択肢は広がり、また債券への投資方法も様々です。しかし、一方では複雑さも増しています。賢明な債券投資をするには、多様な選択肢を理解することが必要です。

債券の発行市場と流通市場

株式と同様に、債券も発行市場流通市場のどちらにおいても売買が可能です。

政府や企業が資金を調達したい場合、発行市場で債券を発行することができます。通常、証券会社や投資銀行がそのような債券の販売を支援します。この場合、債券は額面で販売されます。たとえば、債券の額面が50,000ドルであれば、その債券を買う投資家は50,000ドルを支払います。

いったん発行された債券は、その後流通市場で取引されることになります。流通市場が発行市場と大きく異なるのは、経済の見通し、債券やその発行体-->の信用力の変化--> 、需要と供給などのいくつかの要因により、債券の価格が変動することです。流通市場では、債券の価格は額面に対する割合で表示されます。債券の価格決定に関する詳しい説明は、シリ―ズ1 、トピック5-債券の価格と運用成果に影響を与える要因をご参照ください。

通常、個人投資家は発行市場で債券を購入することはできません。機関投資家がそれらの債券を発行市場で購入し、小口に分けて流通市場で投資家に販売する場合が一般的です。

流通市場で債券を売買するには、債券のブローカーである銀行や証券会社に口座を開く必要があります。

上場有価証券と店頭有価証券

株式と債券の大きな違いは、流通市場での取引方法です。

大半の株式は、ニューヨーク証券取引所、オーストラリア証券取引所、ロンドン証券取引所など、公の証券取引所で売買されます。

一方、債券の取引方法はそれとは大きく異なります。証券取引所で売買されるものも一部ありますが、大半は非上場の有価証券で、投資家の代理人である大手のブローカー同士の間の店頭取引(相対取引)により売買されます。

リスクや投資方法、市場セグメントなどの、主な要因を考えてみましょう。債券投資をする際に考慮すべき5つのポイントを取り上げます。
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直接投資

株式投資に慣れている投資家は、株式と同じように債券に直接投資したいと考えるかもしれません。個々の債券を使って、独自のポートフォリオを作りたいと考える投資家もいるでしょう。

しかし個人投資家が直接債券に投資するには、いくつか問題があります。第一に、債券の最低投資額は通常高額です。従って、分散されたポートフォリオを組み上げるには多額の資金を要します。

第二に、既に述べた通り、(大半の債券が売買される)店頭市場は価格の透明性に欠けています。そのような環境下で投資に成功するためには、幅広い投資の知識に加え、債券の価格と価値を評価するためにデータや資料を手に入れる必要があります。

債券の間接投資

債券の直接投資の難しさから、多くの個人投資家は、債券投資信託や上場投資信託(ETF)などを使って、間接的に債券市場に投資します。

投資家はこれらの投資信託を通じて、地域性、信用力、平均デュレ―ションなどといった、明確な投資対象の特性の組み合わせの範囲内で、幅広い債券へのアクセスが可能となります。

投資家は、自分たちのポートフォリオにおける債券の役割に応じて、異なる数多くの投資戦略の中から債券を選ぶことができます。購入した債券を満期まで保有したり、債券の指数(インデックス)の動きに連動する、パッシブ(受動的な)運用戦略と呼ばれる投資を好む投資家もいます。

一方、債券のインデックスを上回る成果を目指して、数多くの異なる技術を用いるアクティブ(能動的な)運用戦略と呼ばれる投資を好む投資家もいます。アクティブ運用では、しばしば価格変動を活用した債券の売買が行われます。

アクティブ運用とパッシブ運用に関する詳しい説明は、シリーズ 3、トピック2-債券のパッシブ運用とアクティブ運用の違いをご参照ください。