アセット・アロケーションの意味と役割

アセット・アロケーション(資産配分)は投資目標を達成するうえで基本となります。実際、アセット・アロケーションは個別の投資銘柄選択よりも、ポートフォリオのパフォーマンスに大きな影響を与える傾向があります。

アセット・アロケーションは投資目標を達成するうえで基本となります。実際、アセット・アロケーションは個別の投資銘柄選択よりも、ポートフォリオのパフォーマンスに大きな影響を与える傾向があります。

ポートフォリオ内でのアセット・アロケーションの役割

アセット・アロケーションは異なるさまざまなアセットクラスへの投資を通じて、ポートフォリオにおけるリスクとリターンのバランスをとるプロセスです。 主なアセットクラスには債券、株式、現金および現金同等物等があります。さまざまなアセットクラスについては、シリーズ4:トピック2「主要なアセットクラスとその相違点」でご説明します。

分散されたポートフォリオを維持することで、投資家は経済や金利の変化に備えることが可能となり、投資機会を捉えるだけでなく、過剰集中によるリスクを最小化することができます。

伝統的なアセット・アロケーション戦略では、お互いに相関の低いアセットクラス――同じ時期に同じ方向に動く傾向のないアセットクラス――を組み合わせてポートフォリオ全体の変動幅の緩和を図ります。

例えば、下の図に見られるように、米国の株式と債券は過去15年間ほぼ負の相関となっています。

correlation between stocks and treasuries

以下のポートフォリオの例では、低い相関、もしくは負の相関のアセットクラスを組み合わせることの潜在的なメリットをご確認いただけます。 シナリオ1では、ポートフォリオすべてを米国株式で運用、シナリオ2では60%を株式に、40%を債券に配分しています。 リスク・リターンのデータが示すように、低相関もしくは負の相関の資産を2つ以上保有することで、十分な資産の成長を達成しつつボラティリティの低下を図ることができます。

potential benefits of combining asset classes

相関に対するグローバル化の影響

今日の市場は、多くの投資家が考えるよりもアセットクラス間の相関は安定的ではなくなっています。 グローバル化などの長期的なトレンドがアセットクラス間の相関性を高めています。

さらに、市場の混乱期に相関は上昇する可能性があります。 その結果、まったく動きが異なるはずのアセットクラスが、投資家が考える以上に同じような動きをする可能性があります。

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かつては関係が薄いとみられていた資産が今では同じリスク要因の影響を受けるため、今日の環境で真に分散された、抵抗力のあるポートフォリオを構築するのはこれまで以上に難しくなっています。 リスク要因に関する詳細な説明は、シリーズ4:トピック3「リスク要因の分散」をご参照ください。

アセット・アロケーションの管理

運用の専門家は通常2種類のアセット・アロケーションのアプローチを取ります。戦略的アセット・アロケーションと戦術的アセット・アロケーションです。 二つを組み合わせることによって、ポートフォリオの長期的な方向性を定めることができるだけでなく、短期的な市場動向に対して対応することもできます。

長期的なポートフォリオの方向性を見据える戦略的アセット・アロケーションは、投資目的、リスク許容度、投資期間の3つの重要な要因に基づいて決められます。 リターンの目標と許容できるリスク水準に応じて、ポートフォリオは安定型、収入(インカム)・成長型、成長型、積極成長型などに分類することができます。 下の図は、各アセットクラスへの配分目標を示した仮想ポートフォリオの例です。

hypothetical portfolios showing percentage targets for different asset classes

市場は絶えず変化しているため、ポートフォリオの戦略的アセット・アロケーションを維持するには、目標とする配分となるよう定期的に調整する必要があります。 さらに、投資家の投資目的、リスク許容度、投資期間の変化に合わせて、戦略的アセット・アロケーションも時間とともに変わっていくでしょう。詳しい説明は、シリーズ4:トピック4「アセット・アロケーションは時間とともに変わるべきか」をご参照ください。

一方、戦術的アセット・アロケーションは、マクロ経済のファンダメンタルズ、割安感、市場の動きなどに基づいて、特定のアセットクラスの割合を増やしたり減らしたりする、アクティブ運用の手法を用います。 戦術的アセット・アロケーションは短期的な投資機会を利用し、戦略的アセット・アロケーションの方向性を補完するものです。

適切に分散されたポートフォリオでは、各アセットクラス内で異なる資産へ投資を行います。例えば、株式のなかでは、さまざまなサブセクターの国内株や外国株に投資することができます。 詳しい説明は、シリーズ4:トピック2「主要なアセットクラスとその相違点」をご参照ください。