投資を理解する グリーンボンドが気候行動を促す(SDG13) ESGミニシリーズ第三弾:急速に拡大するESG債の市場は、投資家が「国連の持続可能な開発目標(SDGs)」を目標とし、ネットゼロ炭素社会への移行促進を可能にします。
グリーンボンド市場への取り組み イェレ・ブロンズ:PIMCOの一般的なESGポートフォリオでは、基本的に化石燃料に対するエクスポージャーはありません。そのため、典型的なエネルギー企業には投資していません。石炭へのエクスポージャーも、石油業界に対するエクスポージャーもありません。 最も重要な例外は、石炭から再生可能エネルギーに移行しつつある公益企業です。こうした企業のグリーンボンドには、通常、投資します。そして、こうした企業とは、積極的な対話も行います。 大手エネルギー企業で、残念ながらまだグリーンボンドを発行していない企業があります。ただPIMCOでは、こうした企業と積極的な対話を行い、再生可能エネルギーに移行する戦略目標に合致するグリーンボンドを発行できるよう取り組んでいます。これが、PIMCOの取り組みの一つです。 グリーンウォッシング(環境配慮をしているように偽ること)を回避する方法 イェレ・ブロンズ:グリーンウォッシングは非常に重要なテーマであり、過去に企業が発行したグリーンボンドの一部に疑わしい事例が散見されています。 このためPIMCOでは、すべての発行体についてESGを評価するだけでなく、グリーンボンドも評価しています。 具体的には、すべてのグリーンボンドについて、起債時にポートフォリオ・マネジャー全員に回覧される起債関連の書類で、グリーンボンドのスコアリングのフレームワークと照らし合わせて確認します。 PIMCOは、グリーンボンドが一定の基準に準拠していることを確認したいのです。まず、グリーンボンドの評価に際しては、いわゆる戦略適合性を評価します。言い換えると、グリーンボンドの発行目的と資金用途が、発行体のESG戦略と整合性がとれているかを確認するのです。 次に、重大且つポジティブな成果が期待できる確証が必要です。例えば、再生可能エネルギーへの移行を進めていないことが主因で、長らくグリーンボンドを発行してこなかった米国の大手公益企業があります。この企業は500億ドルから1,000億ドルの規模で、3億ドルのグリーンボンドを起債しようとしているとします。調達資金の一部を実際には天然ガスに使用するのであれば、あまり良いグリーンボンドの例とは言えません。 何より、調達資金の一部が天然ガスに使用されるのですが、調達額の大きさと企業規模から判断すると、この債券発行が重大且つポジティブな変化を与えるとは考えられません。 そして、この発行体が現実味のある方法で再生可能エネルギーへ移行する計画を立案していないとすれば、いくつかの懸念が浮上します。例えばグリーンボンドの場合であれば、グリーンボンド原則に適合しているか否かを確認します。 PIMCOでは、純粋にクレジットの観点からある発行体を基本的に選好している場合であっても、グリーンボンドの構造がしっかりしておらず、当該発行体の企業方針に戦略的に適合していない場合は、単にグリーンボンドが市場に出るからといって組み入れることはありません。 PIMCOが買うべきグリーンボンドは他にも十分で出てくるはずです。PIMCOは高い基準を設定しており、それを誇りにしています。
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