「2%⽬標」は柔軟に ⽩川⽅明前総裁時は明らかに緩和不⾜だった。⿊⽥東彦総裁のもとでの強⼒な⾦融緩和で、需給ギャップは縮⼩し、雇⽤も回復した。物価は2% に届いていないが、⽇本経済を好転させたことは⾼く評価すべきだ。 ただ、国債の⼤量購⼊を続けることには限界がある。過度な⾦利低下で保険や年⾦の運⽤難が強まるなど副作⽤もある。イールドカーブ・コントロールの導⼊は、緩和の持続性を確保する意味で現実的な対応だった。 国債市場の機能も落ちている。いまの⾦利は経済の実⼒と⼤幅にかい離している。0%で⻑期間固定させると経済の資源配分がゆがみ、「貯蓄から投資へ」の流れも阻害しかねない。 2%の物価は少⼦⾼齢化が進む⽇本経済では達成が難しい。退職者の再雇⽤でパートタイマーが増えている。柔軟な勤務体系と引き換えに賃⾦が上がりづらくなっている。過去25 年、⽇本はインフレを経験しておらず、⼈々のインフレ期待は⾼まりにくい。 2%の⽬標を引き下げることは政治的に考えても難しいが、実際の物価が2%を下回ることを容認するなど、⽇銀はより柔軟な対応に移していくのではないか。1年ほど先には物価は1%程度に⾼まっていくとみている。そうした局⾯で⻑期⾦利の誘導⽬標を少しずつ引き上げることは選択肢になる。 ⼀⽅、かりに経済が悪化しても、⾦融政策の発動余地は⼩さく、経済対策は財政主導になるだろう。もっとも⽇銀が⾦融緩和を続ければ、きわめて低い⾦利で新規国債が発⾏できるため、財政出動を側⾯⽀援できる。
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