この2週間で政府系モーゲージ債は、金融危機以降最も割安な水準に達しました。
モーゲージ債のカレントクーポンと、10年物米国債のスプレッドを見れば明らかです。
金融危機との違いはファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が懸念の対象ではない点です。現在両社は米国政府の管理下に置かれ、米国債と同等の信用力があります。この2週間で起こったことは、PIMCOでは流動性危機だと考えています。
中央銀行はまず利下げを行い、次に5,000億ドルの米国債買取による量的緩和と、2,000億ドルの政府系モーゲージ債の買取、そして保有モーゲージ債縮小、すなわち売却の停止を発表しました。
短期的にはこれらのFRBの政策は、主に2つの理由から、政府が保証している政府系モーゲージ債には大きなプラスの影響を与えると考えます。
まずパフォーマンス悪化の最大の要因であるレバレッジを利用した投資家による売却ですが、政府保証付きモーゲージ債で見られている価格の上昇により、このようなニーズはなくなるでしょう。
2つ目の理由は、市場で起こっている非常に大きな需給の変化です。一週間前には、FRBが年内に2,400億ドルのモーゲージ債を売却すると予想されていましたが、いまでは2,000憶ドルの購入が決まっており、これは4,400億ドルの需給転換になります。この数字は巨額で、市場の予想を大きく変えました、これら二つの組み合わせにより価格は持ち直し、スプレッドは改善し、モーゲージ債の価格は今後正常化すると考えています。
FRBが購入によって過剰な供給を吸収するには、しばらく時間がかかると思われますが、当面は市場を支えると考えられ、政府保証付き政府系モーゲージ債や証券化商品については前向きな見方を持っています。
中央銀行の政策は長期的には、この市場とセクターにとって有益だと考えています。
ご留意事項
ここでの「割安」、「割高」という用語は、当該証券や資産クラスの長期平均並びに運用担当者の将来予想価格を大幅に下回る、あるいは上回るという意味で使われています。将来の運用成果や、証券の評価による利益の確定または損失の回避が保証されるものではありません。
すべての投資は、リスクが伴い価値を失う可能性があります。
債券市場への投資は、市場、金利、発行者、信用、インフレリスク、流動性リスクなどのリスクの影響を受けます。ほとんどの債券と債券戦略の価値は、金利の変化の影響を受けます。期間が長い債券および債券戦略は、期間が短い債券および債券戦略よりも敏感で不安定になる傾向があります。債券価格は通常、金利が上昇すると低下し、低金利環境ではこのリスクが増大します。債券カウンターパーティの能力の低下は、市場の流動性の低下と価格の変動性の増大に寄与する可能性があります。債券投資は、償還時の元のコストよりも多かれ少なかれ価値があります。モーゲージ担保証券と資産担保証券は金利水準に対する感応度が高い場合があり、期限前償還リスクを伴い、また、発行体の信用力に対する市場の認識に応じてその価格は変動する可能性があります。また、一般的には政府または民間保証機関による何らかの保証が付されていますが、民間保証機関が債務を履行する保証はありません。米国政府系モーゲージ担保証券のうち、米国政府抵当金庫(ジニーメイ、GNMA)発行の証券は米国政府により完全に保証されています。連邦住宅抵当貸付公社(フレディマック、FHLMC)および連邦住宅抵当公庫(ファニーメイ、FNMA)発行の証券は、元利金の速やかな返済が保証されていますが、完全に米国政府により保証されているものではありません。特定の証券の信用格付により、ポートフォリオ全体の安定性や安全性が保証されるものではありません。
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