PIMCOの視点

PIMCOのクレジット市場についての見方

PIMCOグローバル・クレジット担当 最高投資責任者(CIO)のマーク・キーセルが、変化する経済環境におけるクレジット市場のプライシングと、PIMCOが投資機会を見い出し始めている分野についてご説明します。

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現在の現在の市場を動かしている要因にはファンダメンタルズと需給の二つの面があります。まずファンダメンタルズから見ていきましょう。

ファンダメンタルズ面で世界経済は次々と停止モードに陥っていますが、これは一時的なもので、いずれはこの状態を切り抜けるでしょう。

企業や個人は支援を必要としており、政府は対策に乗り出しています。中央銀行も世界各地で次々と対策を打ち出しています。

言うまでもなく、現在の世界の市場にはかなりの不確実性が存在します。デフォルト(債務不履行)が増加する可能性があり、信用力の低い資産については大幅に増加する可能性すらあります。

とはいえ、現在の状況に突入する直前まで世界経済は色々な意味で堅調でした。

第一に民間セクターの不均衡は低水準にとどまっていました。また、消費者も信用力の高い企業も健全な財務状況にあります。三点目が、銀行システムの自己資本が潤沢であるということです。中国経済の減速はあきらかですが、回復しつつあります。また、米国や欧州をはじめ各国の経済もいずれ回復に転じるでしょう。

クレジットの観点から注目すべき重要な点は、投資適格にあたる多くの企業の財務基盤は盤石だということです。

現在の市場を動かしている二つ目の要因は、需給要因です。

過去数週間、あきらかに市場の流動性は逼迫しています。社会的距離を確保する施策により、セルサイドの多くのトレーディング・デスクでは、通常より少ない人員で対応しています。

市場の乱高下も振れ幅を増幅させており、一部の取引ではレバレッジが解消されています。これにより強制的な売りが発生しています。これを受け、投資適格社債やモーゲージ債や資産担保証券など、信用力の高い資産はかなり割安になっているようにみえます。

プライシングとリスクの観点から見ると、現在の市場は実体経済を先取りして動いていると言えます。

クレジット市場は現在、景気後退を織り込んでいます。ほとんどの景気後退期で一般的とされる、デフォルト率の上昇を市場は織り込んでいます。この点を踏まえると、現在、信用力の高いクレジットには世界的に良好な機会があると考えられます。

ではPIMCOは現在、企業や市場をどのように評価しているのでしょうか?

PIMCOでは世界各地の企業と強固な関係を築いており、現在もこうした企業と日々対話を重ねています。

最も影響が大きいのは、旅行・観光航空ホテル自動車の各業界の企業です。こうした業界には支援が必要でしょう。

ただ各国政府は対策に乗り出しており、直近では航空業界への支援が行われています。

実は財務基盤が盤石で、今回の危機に対する備えが十分にできている企業は数多く存在します。たとえば電気通信セクター、基地局設置セクター、ケーブル、公益事業、スーパーマーケットなどの各業界の多くの企業は、現在の危機を乗り越える態勢が整っています。これら企業の多くは流動性を重視していますが、将来を見越した手を打っています。

ではPIMCOは現在、企業を分析するために何を注視しているのでしょうか?

新型コロナウイルスの感染経路とその深刻度について、感染拡大が世界経済へ及ぼす影響、財政および金融両面での世界の政策対応、世界の金融状況、クレジット市場、新規に債券発行が可能か、世界の銀行システムの健全性、市場流動性、企業および経済の長期的な健全性とファンダメンタルズ、こうした点に注目しています。

現在のグローバル・クレジット市場では、信用力が高く、景気循環に左右されにくいディフェンシブな企業で、現在の嵐を乗り越えることができる堅固な財務基盤をもつ銘柄を引き続き重視しています。

最後になりましたが、このような困難な状況ですが、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

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