PIMCOの視点

2019年長期経済予測:投資家にとっての意味合い

向こう35年に投資家は何を期待できるでしょうか。グループCIOのダン・アイバシンとグローバル・エコノミック・アドバイザーのヨアヒム・フェルズが、向こう35年の経済及び市場の状況と投資家が考慮すべきことについて論じます。

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アダティア: こんにちは PIMCOのプロダクト・ストラテジストのティナ・アダティアです。

当社グローバル・エコノミック・アドバイザーのヨアヒム・フェルズとグループCIOのダン・アイバシンと共に長期見通しに基づいたポートフォリオへの影響について考えます。

低成長・低金利という背景を踏まえると 投資家はリターンとリスクをどう捉えたらよいのでしょうか?

ダン:あまり良くない材料から見ていきましょう。過去10年間リターンはかなり強く、ボラティリティは比較的低い水準で推移してきました。ただ先行きについては 株式であれ、債券であれコモディティであれ、金融市場を見た場合、リターンは大幅に低くなり、ボラティリティは高まると予想しています。そしてそれは投資家全体にとって非常に難しい環境です。

ベータに乗ること、あるいはベータのリターンだけで投資目標を達成するためには、これまでとは違う心構えが必要です。より創造的な投資アプローチが必要であり 、その過程で 幅広い投資機会に照準を合わせていくことになるでしょう。

アダティア:ボラティリティについてもう少しお聞きします。今後のボラティリティの見通しを教えてください。

ヨアヒム:金融市場の動向から、昨年は非常に変動が大きい年だったと受け止められています。しかし、この図が示している通り過去の平均の通常水準に戻ったに過ぎません。

本当の意味で異例だったのは2017年とそれ以前の数年です。今後数年は、ボラティリティはさらに上昇するとみています。平均ではおそらく 過去の長期平均を上回ることになるでしょう。

アダティア:今後リターンは低下し、ボラティリティは高まるわけですね。 では金利全般はどうでしょうか?また金利の観点から、どのようなポジショニングを取るのでしょうか?

ヨアヒム: 金利は引き続きニュー・ニュートラルの水準にとどまるとみています。向こう3~5年のどこかの時点で起きる公算の高い次の景気後退局面ではどうか?

ゼロ金利に戻る可能性が極めて高いものの、マイナスにすることに対してFRBは消極的だとみています。他国の状況をみるとそこまで成功していません。

そのため債券利回り、長期債利回りの見通しについては、景気後退期以外の10年債の利回りのニュー・ニュートラルのレンジは、おそらく2%~3%だろうと考えています。現在このレンジの下限に近づきつつありますが、まだそこには至っていません。

アダティア:次に社債とクレジット全般についてみていきましょう。 ダン、社債についてPIMCOの見方を教えてください。

ダン:これは難しい環境にあります。発行は歴史的な水準を大幅に上回っています。 利回りに対する需要は強く、 それが信用指標の悪化と、投資家保護の低下につながっており、スプレッドの水準はせいぜい過去の平均程度にみえます。

このため社債は向こう5年でファンダメンタルズのオーバーシュートを起こしやすいセクターの1つだと見ています。したがって、ポートフォリオの構築にあたって最も慎重になるのがこの分野です。

資産運用会社としては利回り、キャリー、リターンの追加的な源泉の発掘に努めながらも、お客様のポートフォリオを いわゆる怠惰なクレジット・オーバーウエイトや、コーポレート・ベータの過度なエクスポージャーから守っていきます。

アダティア:もう1つのセクター、もう1つのスプレッドの源泉である証券化資産と住宅ローンに移りましょう。

住宅価格は米国でも世界的にも上昇していますが、裏付けとなるファンダメンタルズの点で住宅指標は実際に改善していることもわかっています。

この図をご覧いただくとわかるように、住宅保有者の債務比率は低下しており、企業の債務比率が再び上昇しているのとは対照的です。住宅市場と証券化資産に関する見解を聞かせてください。

ダン:相対的な機会として米国の住宅市場、さらには世界の住宅市場に注目しています。これらの市場は世界的金融危機以降、規制が大幅に強化されてきました。ファンダメンタルズはきわめて安定しています。

住宅保有者への融資を裏付けとする債券に加え、住宅市場と連動している社債セクターにも機会があるとみています。 ポートフォリオ全般でのオーバーウエイトの観点から、注目すべき分野だと考えています。

この分野では大幅な債務削減が行われてきました。現時点で市場で実行されている融資のタイプを見ると、金融危機以前に比べてはるかに保守的であることがわかります。

住宅市場はいまだに保守主義が行き過ぎた分野の1つであり、したがって住宅セクターへの融資には、バリューが存在します。

アダティア:ヨアヒム、ダン、今日はどうもありがとうございます。皆様、ご覧いただきありがとうございました。

ご質問がある場合は PIMCOの担当者にお問い合わせください。 

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