インベストメント・コミッティー

利回り低下とボラティリティ上昇の局面

グループCIOのダニエル・アイバシンが、低金利時代の投資、エマージング市場での投資機会、そしてPIMCOが長期的な見方に立ったアプローチを重視する理由についてご説明します。

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デビット:デビッド・フィッシャーです。今回はグループ最高投資責任者(CIO)のアイバシンが、PIMCOのインベストメント・コミッティー(IC)における最近の議論をご紹介します。米国や世界の債券利回りは前回以降大きく低下し、現在は投資適格債券の約30%がマイナス利回りとなっています。景気後退入りした場合には、米国もマイナス金利になるという話もあります。これらはICの議論にどう影響するのでしょうか?PIMCOの投資機会の見方にどう影響しますか?

ダン:利回り低下要因というテーマについては、ICでも多くの時間をかけて議論しています。昨年終盤より明らかにみられるのは製造業セクターを中心に、世界の経済成長の急激な減速です。しかも様々な国で一様に連動して発生しています。さらに貿易問題を中心に政治の不透明性と相まって、この数週間で高格付け債券への注目が大いに高まっています。ICでは既に起こっていることに留まらず、貿易交渉の行方も含めてこの先の経済成長の見通しについても、多くの時間を割いて議論しています。

今後の戦略に関しては、米金利のオーバーウエイトを継続します。米国の名目金利は先進国のなかでも最も高く、今後さらに経済成長が鈍化した場合や貿易問題も同様に悪化した場合に、一層大幅な上昇が期待できる数少ない市場のひとつであり、最終的には世界的な成長につながると考えます。

しかし米金利は最近反騰し、現在すぐに大きなリターンは見込めないでしょう。またPIMCOのインフレ見通しを考えると、米国ではインフレ率を調整した現在の実質金利はゼロか、場合によってはマイナスとなっています。先進国の多くは明らかにマイナスに陥っています。

これらの市場では流れや勢いもある一方で、警戒心も多く働いています。従来の見方なら既に十分割高ですが、この数週間でさらに割高になる可能性もあります。景気が減速し続ければなおさらです。

デビット:これまではエマージング市場に投資機会があるとの話でした。確かに多くのエマージング諸国の金利は先進国よりもやや高いようですが、現在でもエマージング市場に投資チャンスがあると考えていますか?

ダン:現在ICでは慎重ながらも楽観的に見ています。ボラティリティは最近高まっており、貿易交渉の悪化に対して非常に敏感になるでしょう。世界的な貿易戦争の拡大は、エマージング市場に好ましいものではありません。しかしグローバルに分散されたポートフォリオで考えれば、まだ十分に魅力的な投資機会はあるでしょう。ポートフォリオの分散をしっかり維持していれば、高リスク投資部分の一部と考えることができます。

デビット:エマージング市場における慎重なリスクテイクですね。他にはどのような投資機会があるとみていますか?最も確度の高い投資アイデアは何でしょうか?

ダン:基本的にICでは魅力的なスプレッドを求めています。質の高いディフェンシブな市場で、追加的なリターンが得られる投資を模索しています。この数週間のパフォーマンスに乗り遅れた分野を2つあげるとすれば、ひとつは政府機関系モーゲージ債です。米国政府による直接保証か、少なくとも2つの主要連邦政府系機関の保証付きで、高格付けで流動性の高いセクターです。例えば他の高格付け債券の社債セクターと比べても魅力的なリターンが期待できます。

もうひとつはインフレ連動債市場です。PIMCOの基本シナリオではインフレ率は低迷するとみていますが、同債券の価格が示すブレーク・イーブン・インフレ率をみると、このセクターの投資価値は高まっています。

デビット:最後に高まる市場の混乱と多くのニュース報道を鑑み、ICの投資アプローチに変化はありますか?

ダン:まったく変わっていません。PIMCOは永年長期的な視点でポートフォリオを構築してきました。投資プロフェッショナルたちが一同に会し、長期的な見方で十分に議論し、判断の鍵となるトップダウンの枠組みで世界を見てきました。最も大切なことは忍耐強さです。

全ての好機を捉えることはできないかもしれません。良い判断の場合もあればそうでないこともあります。しかし常に長期的な戦略を貫き通すことが大切だと考えています。また昨今の市場参加者として、大きな不透明性にも配慮する必要があります。

年に一度開催している長期経済予測会議では、3~5年もしくはそれ以上長く市場に影響を与えるテーマを議論します。昨年の「急変に備えて」というテーマに引き続き、今年は経済や市場を攪乱する要因について議論をしました。

正に備えが必要となるでしょう。リスク管理の観点からも慢心は禁物です。PIMCOが今まさに行っていることは、債券投資家をダウンサイドリスクから守ることです。慎重にポートフォリオを構築し、流動性の管理を着実に実行することです。長期的な見方を重視し、これらを徹底すれば、市場流動性の枯渇時にも対処が可能で投資価値を提供できます。これまで同じ仕組みと同じ哲学で、長期的には非常にうまく機能してきました。これからも投資家のためにこの基本姿勢を頑なに守ります。

デビット:本日はご覧いただきありがとうございました。

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