本性有価証券とは、社債と株式の中間的特性を備えた証券で、額面に対して一定の利金が支払われる一方、発行体が資本不足に陥った際には、シニア債に先んじて損失を吸収する役割を果たす証券です。銀行セクターでは、劣後債(Tier2資本証券)や優先証券(Tier1資本証券)の市場が存在し、一括してバンクキャピタルと呼ばれています。一方、銀行以外の一般事業会社が発行したものをコーポレート・ハイブリッドと呼びます。一般に資本性証券は発行体がデフォルトした際に、債務の返済順位の高いシニア債と比べて大きな損失を被るリスクが大きい分、有利な利金が設定されています。

資産クラスとしての資本性証券

証券の「資本性」とは、①調達期間に永続性があること(永久ないし超長期、および償還に関する制限がある)、②利払い・配当に関する制限があること(任意繰延条項、強制的繰延条項)、③損失吸収性があること(返済順位の劣後性)等の要素により定義され、その程度によって、資本性証券には下記のような種類があります。

  • Tier1証券 銀行が発行する優先出資証券や事業会社が資金調達手段として発行するハイブリッド証券などが含まれます。Tier1証券の特徴は①償還期日が設定されていない、②クーポンは繰延可能で非累積型、③元利金の減価が可能などの点があげられます。
  • Tier2証券 劣後債がこのカテゴリーに該当し、①破産宣告、②会社更生手続き、③民事再生手続きなどの事由が発生した際に元利金の支払いが一般債務よりも劣後します。また、期限の定まっていない永久劣後債(UpperTier2またはUT2)と期限の定まっている期限付き劣後債(LowerTier2またはLT2)に分かれます。UT2の特徴としては、①償還期日が設定されておらず、株式とTier1証券にのみ優先する、②クーポンは繰延できるが累積型、③元利金減価が可能などの点、LT2の特徴としては、①期限付き(期間は5年以上)、②シニア債務に対してのみ劣後する、③クーポンの繰延や元利金の減価はできないなどの点があげられます。

資本性証券に関して、発行体から見た意義については、①株式希薄化の回避、②資本構成の改善、③税務上のメリットなど、資本コストを抑制しつつ、財務の柔軟性向上を図れるという点があげられます。一方で、投資家の観点からは、①高スプレッドの投資対象、②投資判断における選択肢の多様化といったメリットがあります。一方で、こうした両者の資本性有価証券に対するニーズの差から、発行体と投資家の利害対立が一般のシニア債に比べてより顕著になる傾向があることについては、注意が必要といえます。

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