マージング社債はエマージング諸国の公営企業・民間企業が発行する債券のことを指します。一般にエマージング社債はエマージング国債に比べ高い利回りを提供します。また、先進国の社債市場と比較すると、国内経済の基幹となる資源、エネルギー、通信や運輸といった事業関連分野において、政府と結びつきが強い企業が多いと言えます。また、近年のエマージング経済の発展に伴い社債の発行残高は増加基調にあり、投資機会は拡大するとともに多様化しています。エマージング社債市場の代表的なインデックスにはJPモルガン・コーポレート・エマージング・マーケッツ・ボンド・インデックス(Corporate Emerging Market Bond Index: CEMBI)シリーズがあります。

エマージング社債市場の特徴

投資家はエマージング社債への投資を通じて、エマージング市場の経済成長の恩恵を享受することができます。エマージング市場では、経済成長の基盤となるインフラの整備への需要が高まっており、資源セクターや、建設・設備関連セクターなどのインフラ関連産業が成長を遂げています。また、経済の発展により個人所得が向上することで、中間所得層や富裕層が増加し、個人消費を中心とした内需の拡大はエマージン グ国企業の追い風となっています。これらに加えて、エマージング国では、相対的に政府の財政が健全であることや金融政策に柔軟性があることを背景に、景気後退局面においても当局による財政・金融政策を用いた景気刺激策を採用することが可能であり、企業を取り巻く経済環境の悪化を緩和することができると考えられます。

また、企業の財務体質の健全性も特色の一つです。エマージング国企業には先進国企業と比べて健全な事業利益、低コスト構造を有する企業も多く、健全な財務水準を維持しています。また、複数の国にまたがって事業基盤を有している企業もあり、それらの企業においては事業のリスクが分散され、一国の経済への依存は限定的です。当該国内の経済において構造的に重要な役割を果たす企業は政府の明示的もしくは暗黙的なサポートを受けており、高い信用力を有していると考えられます。特に、政府の出資を受ける準ソブリン企業は政府と同等の信用力を有していると考えられます。

エマージング社債と格付

エマージング社債の投資においては、信用力の変化に加え、格付をめぐる動きも投資家にとって収益機会となります。同等の格付が付与された先進国企業と比較して、エマージング企業は財務や成長性といったファンダメンタルズが健全である場合が多く見られます。一方で同等の格付で比較した場合、一般的にエマージング社債は先進国企業よりも高い利回りを提供します。

さらに、多くのエマージング社債の格付は発行体が帰属する国の信用格付が上限(ソブリン・シーリングまたはカントリー・シーリング)とされているため、帰属する国の信用格付の改善に伴う格上げが期待できます。

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