国の証券規制

米国の証券規制は、発行市場を規制する証券法(1933年制定)及び取引市場を規制する証券取引所法(1934年制定)を基盤として、連邦政府から独立した行政機関である証券取引委員会(Securities and Exchange Commission、通称SEC)によって管理されています。市場で発行され、流通している債券はこれらの法・規制に従い、一定の条件を満たす必要があります。よく目にするものとしては、適格機関投資家向け私募証券市場(米SEC規則144A準拠)で発行される債券や、米国外での公募を行う債券(Regulation S)などがあります。

MTNプログラム

一般に債券の発行手続きには時間がかかり、市場の動きに合わせて臨機応変に起債を行う障害となります。これに対して、資金調達の意思決定から起債までのプロセスを短縮する目的で利用されるのがMTN (Medium Term Note)プログラムです。発行体と引受業者はあらかじめ発行条件の概要を協議/決定し、プログラムに関する包括的な契約を締結しておきます。発行時にクーポンや償還日、発行通貨などの条件の細部を追記的に決定することで、短期間の起債が可能となります。ユーロ債市場ではこのMTN方式による発行が広く行われているほか、日本では仕組債の発行に多く用いられています。なお、名称は”Medium Term Note”となっていますが、中期債のみではなく、長期債の発行においても利用することができます。

オフショア市場

オフショア市場とは、国内市場とは区別され、主に非居住者向けの国際金融取引のために、税制や取引規制などの面から制約を少なくした市場を指します。オフショア市場の発展により、発行体はより有利な条件で、多様な投資家層を擁する発行市場を選択することができるようになってきました。また、投資家側の観点からも、同一の発行体の信用リスクをとる際の選択肢が多様化したといえるでしょう。市場によって需給環境などが異なることから、市場間の比較も重要性を増しています。代表的なオフショア発行市場には、ユーロ市場があります。また、日本のサムライ債市場では日本国外の発行体が円建てで資金調達を行います。

ユーロ債

ユーロ債とは、ユーロ市場で発行される債券のことを言います。ユーロ市場とは、通貨国外で当該通貨資産を保有する投資家を対象とした市場です(「ユーロ」通貨建ての金融市場を指すのではありません)。例えば、日本国外で流通する日本円建て金融市場はユーロ円市場と呼ばれます。一般的にユーロ債は、表示通貨国外で発行され、複数の国にまたがるシンジケート団によって引受、販売が行われます。また、ユーロ債は表示通貨国の規制を受けません。ユーロ債の多くはロンドン証券取引所やルクセンブルク証券取引所に上場しています。

サムライ債

日本の国内市場において外国企業・外国政府など国外の発行体が発行する日本円建て債券はサムライ債(円建て外債)と呼ばれます。サムライ債は1970年にアジア開発銀行によって初めて発行され、現在に至るまで発行体や債券の種類を多様化させながら残高を増やしています。また、日本において発行された国外の発行体の外貨建て債券はショーグン債と呼ばれます。

発行市場による差異

同一の発行体が複数の市場で債券を発行する場合があります。その場合、市場に参加している投資家層の違いなどにより、流通の環境が異なることがあります。例えば、日本企業が日本の債券市場(日本円建て)と国外の現地通貨建て債券市場でそれぞれ債券を発行した場合を考えます。日本の社債市場で流通する債券の大部分は銀行など金融機関が保有しています。銀行は自己資本比率の規制に従い、社債に対する需要は市場環境などよりも、投資家である銀行の資産構成や、社債の格付の変更などに大きく影響されます。このため、日本の社債市場の動きは、多様な投資家の参加する海外の社債市場と異なることがあります。実際に、リーマン・ショックの後、海外市場では社債などリスク資産が売られ、価格が下落しました。しかし、日本の社債市場では特に優良銘柄の需給は緩まず、同じ企業の信用リスクに対する価格が市場間で乖離する状況となりました。特定の市場における社債への投資を行う場合でも、グローバルな社債市場をカバーする必要があると言えるでしょう。

RECENT ARTICLES

ご留意事項

ピムコジャパンリミテッドが提供する投資信託商品やサービスは、日本の居住者であり、かつ法律による制約のない方に対して提供するものであり、かかる商品やサービスが許可されていない国・地域の方に提供するものではありません。

過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。本資料には、本資料作成時点でのPIMCOの見解が含まれており、その見解は予告なしに変更される場合があります。本資料は情報提供を目的として配布されるものであり、投資助言や特定の証券、戦略、もしくは投資商品の推奨を目的としたものではありません。本資料に記載されている情報は、信頼に足ると判断した情報源から得たものですが、その信頼性について保証するものではありません。

運用を行う資産の評価額は、組入有価証券等の価格、デリバティブ取引等の価値、金融市場の相場や金利等の変動、及び組入有価証券の発行体の財務状況や信用力等の影響を受けて変動します。また、外貨建資産に投資する場合は為替変動による影響も受けます。したがって投資元本や一定の運用成果が保証されているものではなく、損失をこうむることがあります。運用によって生じた損益は、全て投資家の皆様に帰属します。弊社が行う金融商品取引業に関してお客様にご負担頂く手数料等には、弊社に対する報酬及び有価証券等の売買手数料や保管費用等の諸費用がありますが、それらの報酬及び諸費用の種類ごと及び合計の金額・上限額・計算方法は、投資戦略や運用の状況、期間、残高等により異なるため表示することができません。