PIMCOは先日、グローバル資産クラスの最大限の幅と奥行きを使ってダイナミックに資産配分する、包括的運用ポートフォリオのダイナミック・マルチ・アセット戦略を立ち上げました。この戦略は、リスクに対して非対称なアプローチを取ることにより、投資家に安定的なリターンを届けることを目指しており、様々な資産クラスに関するPIMCOのグローバルな専門的知見と経営資源を活かす運用です。今回は、ポートフォリオ・マネージャーであるミヒル・ウォラーとジェラルディン・サンドストロムが、この戦略の目標と運用プロセス、そして、この戦略が投資家のポートフォリオで果たす役割についてご説明します。

問:PIMCOのダイナミック・マルチ・アセット戦略の概要について説明してください。
サンドストロム:
この戦略は、株式、クレジット、金利、通貨、実物資産など、世界の幅広い資産クラスに関して、PIMCOのマクロ展望と相対価値判断を活用するグローバルなアセットアロケーション戦略であり、機動的な運用により、投資家に長期にわたって魅力的なリスク調整後リターンを届けることを目標としたポートフォリオです。

重要な点は、この戦略が様々な景気サイクルや市場環境に柔軟に対応できるように設計されているため、従来の市場ベースのインデックスにはとらわれていない点です。通常は、金利と株式市場両方のリスクをとることになりますが、PIMCOの見通しが変化すれば、それに合わせてリスクを大きくシフトし、引き下げる余地も十分確保されています。この高い柔軟性により、リスクに対して非対称のアプローチを取ることで、投資家へのリターンを安定させることが可能となります。

ウォラー:こうしたアプローチは、現在の市場環境に特に適していると考えられます。今回の景気サイクルは終盤に差し掛かっており、市場全体のパフォーマンスは、過去5年間極めて好調でした。そのため、今後は柔軟性に優れたアプローチが付加価値を生み出すのではないかと考えています。

問:この戦略の目標について説明してください。
サンドストロム:
この戦略は、市場サイクルのなかで、魅力的なリスク調整後リターンを生み出すことを目指しています。この目標を実現するため、通常は30~50%の株式エクスポージャー(0.3~0.5の株式ベータ)を維持するつもりです。しかし、PIMCOの見通しと一致する場合には、エクスポージャーをこの水準から大きく乖離させる可能性もあります。市場が混乱に陥った場合には、ポートフォリオをディフェンシブにすることができるため、投資家は付加価値を得られる可能性があります。

問:PIMCOの運用アプローチはこの戦略でどのように活かされているのでしょうか。
ウォラー:
このダイナミック・マルチ・アセット戦略の運用でも、PIMCOの基本的運用プロセスに組み込まれている、一貫した4段階のアプローチが採用されています。そのアプローチとは、(1)トップダウンによるマクロ経済動向判断と(2)ボトムアップでのファンダメンタルズ及びテクニカル分析、(3)バリュエーションの評価、そして、(4)ポートフォリオの構築です。このプロセスで重要な役割を担うのが、PIMCOの長期経済予測会議及び短期経済予測会議で得られたマクロ経済展望と、グローバルな個別セクターと市場に関するスペシャリストの専門的知見です。更に、PIMCOは、ポートフォリオ構築プロセスに影響を与える可能性のある、相関性やトレンド、テール・リスクについても、繰り返し検証しています。この戦略が目指しているのは、PIMCOの基本シナリオの見通しを反映しつつ、リスク・シナリオでも揺るがない安定性の高いポートフォリオを作り上げることです。

問:この戦略のベンチマークは何でしょうか。また、投資家はこの戦略のリスクについて、どう考えればよいのでしょうか。
ウォラー:
PIMCOのダイナミック・マルチ・アセット戦略では、1ヶ月キャッシュ金利インデックスを参考指標としています。しかしそれは、この戦略が市場サイクルを通じて、平均してキャッシュ金利を有意に上回るリターンの実現を目指しているためで、この戦略が取るリスクを正確に反映したものではありません。先ほど申し上げた当戦略の通常の株式ベータの値からすると、リターンの変動は穏やかなものになると考えられます。それを平準化するために、全体のリスク・バジェットを積極的に管理していくことになりますが、この戦略は、中長期で魅力あるリスク調整後リターンを生み出すことを目標としているため、一時的にリターンがマイナスとなる可能性もあることをご理解ください。

問:二人の経歴は大きく異なっていますが、どのような形で、この戦略を共同運用していくつもりでしょうか。
サンドストロム:
経歴や専門が異なるがゆえに、私たちは互いを上手く補い合えると考えています。ウォラーはコモディティや物価連動債を始めとする実物資産全般と債券を専門としており、私は株式市場とクレジット市場が専門です。この組み合わせは、きわめて効果的です。また、私は過去15年以上の間、ヘッジファンドの運用に従事し、特にエマージング市場に軸足を置いてきました。一方、ウォラーは主に先進国市場を対象とする、レバレッジを利用しないポートフォリオを運用してきました。私たちは互いに助け合い、一方のアイデアをもう一方が確かめる関係にあります。重要なのは、ポートフォリオ構築に対するそれぞれのアプローチがきわめて似ていることであり、ウォラーも私もリスク管理を特に重視しています。

問:投資家は、PIMCOのダイナミック・マルチ・アセット戦略を自らのアセットアロケーションでどのように活かすことができるでしょうか。
サンドストロム:
この戦略の利用方法は、それぞれの投資家が保有する他の資産の配分によって異なると考えられます。このポートフォリオが株式も含む戦略であることから、リスクの低いグロースのアロケーションとして利用する投資家もあれば、スタティック・アセット・アロケーション戦略の戦術的な補完手段として利用する投資家もいると考えられます。ダイナミック・マルチ・アセット戦略には、その柔軟性と広がりにより、多くの投資家のポートフォリオ全体のリスク調整後リターンを改善させる力があると確信しています。

著者

Mihir P. Worah

アセットアロケーションおよびリアル・リターン担当最高投資責任者(CIO)

Geraldine Sundstrom

アセットアロケーション戦略担当のポートフォリオ・マネージャー

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