注目の運用戦略

スマート・ベータを基盤とするPIMCOのRAE(リサーチ・アフィリエイツ・エクイティ)戦略

PIMCOとリサーチ・アフィリエイツ社は、スマート・ベータを基盤とする一連の株式戦略を拡充し、これまで10年以上にわたって革新的な株式ソリューションを投資家の皆様に提供してきた協力関係をさらに深化させました。直近では、PIMCO RAEプラットフォームに、現物株式への投資を通じて、米国大型株、米国小型株、国際株式、エマージング市場株式、グローバル株式(米国を含む)、グローバル株式(米国を除く)など幅広いエクスポージャーを取得する、RAEファンダメンタル戦略が加わりました。RAEファンダメンタル戦略は、ストックス・プラスやRAEファンダメンタル・プラス戦略を含む、PIMCOのエンハンスト株式戦略の一部です。

PIMCOとリサーチ・アフィリエイツ社は新しい戦略を導入し、協力を強化します。

PIMCOとリサーチ・アフィリエイツ社は最近、スマート・ベータを基盤とする一連の株式戦略を拡充し、これまで10年以上にわたって革新的な株式ソリューションを投資家の皆様に提供してきた協力関係をさらに深化させました。以下のインタビューでは、PIMCOのマネージング・ディレクターでプロダクト・マネージャーを務めるサブリナ・カリンと、リサーチ・アフィリエイツ社のマネージング・ディレクターでクライアント戦略統括責任者を務めるジョン・ウエスト氏が、この度拡充した新戦略について、それらがいかに伝統的なインデックス運用とアクティブ運用の特徴を組み合わせることによってスマート・ベータの概念を進化させているかについてご説明します。

問:最近、スマート・ベータ戦略に関しては数多くの議論がありますが、その定義については統一された見解はないように思われます。この分野の先駆者であるPIMCOとリサーチ・アフィリエイツ社は、スマート・ベータについてどのように考えているのでしょうか。
答:スマート・ベータという用語を作ったのは私たちのどちらでもありませんが、リサーチ・アフィリエイツ社は、ファンダメンタル・インデックスに関する画期的な研究(「ファンダメンタル・インデックス」アーノット・シュー・ムーア、ファイナンシャル・アナリスト・ジャーナル、2005年3月および4月)を発表することによって、後にスマート・ベータとして知られるようになった概念を初めて導入したと一般に考えられています。また、ファンダメンタル・インデックスに基づく株式戦略を初めて導入したのは、リサーチ・アフィリエイツ社とPIMCOでした。これまで、私たちはアプローチの改良を重ね、新しいPIMCORAE(リサーチ・アフィリエイツ・エクイティ)ファンダメンタル戦略を含めて、スマート・ベータを基盤とするエンハンスト株式戦略のメニューを拡充してきました。

私たちは、運用業界において、スマート・ベータの発展の重要性は高いと考えています。急拡大しつつあるこの分野は、時価総額ベースのインデックスのリターンを実現するように設計された「伝統的なパッシブ運用」と、ポートフォリオ・マネージャーが自社のリサーチに基づき有価証券を選択する「典型的なアクティブ運用」の枠組みを超えた、第三の選択肢を投資家に提供するからです。

答:スマート・ベータについては異なる名称や定義を数多く見かけますが、一般にスマート・ベータという分野は、体系的かつルールに基づくアプローチを用いて、従来型の市場ポートフォリオを長期的にリスク調整後で上回るリターンを追求する戦略と理解されています。スマート・ベータ戦略に共通する特徴は、資産の価格とポートフォリオに占める構成比率の関係を分断することによってポートフォリオを構築するプロセスにあります。スマート・ベータ戦略では、両者の関係を断ち切ることによって、必然的に割高株をオーバーウエイトとして割安株をアンダーウエイトとしてしまう、時価総額ベースのインデックスに内在する潜在的なパフォーマンスの悪化要因を回避することを目指します。

重要な点として、多くのスマート・ベータ戦略は長期的に優れた運用実績を残してきました。実際、今年の6月末には、2つのPIMCO RAEファンダメンタル戦略の運用期間が10年に達します。これは、市場サイクル全体をカバーすると言えるでしょう。

問:投資家はなぜ、広範な株式エクスポージャーを取得するにあたって、RAEファンダメンタル戦略のような非伝統的なアプローチに魅力を感じるようになったのでしょうか。
答:株式市場と債券市場の期待リターンが低いニュー・ニュートラルの世界では、目標リターンを達成するためには何か異なるアプローチが必要であることを、多くの投資家は認識しています。運用ポートフォリオの中で非常に高い比率を占めることの多い株式の分野で、市場を上回る超過リターンを追求するアプローチを活用することが長期的に大きなリターンの差につながると考えられます。

時価総額加重インデックスに対してパッシブ運用を行う戦略は、その定義上、手数料と取引コストの控除後の市場リターンしか得ることができません。また、株式市場をアウトパフォームするためにボトムアップの銘柄選択に依拠するアクティブ・マネージャーの運用実績に失望してきた投資家がいるのも事実です。PIMCO RAEファンダメンタル戦略のようなスマート・ベータのアプローチは、株式のエクスポージャーを取得するための新しい選択肢を投資家に提供します。これは、より伝統的なアプローチを適切に補完すると私たちは考えています。

企業のファンダメンタルズを基準にウェイトを配分するアプローチを採用するPIMCO RAEファンダメンタル戦略は、時価総額加重インデックスの「わな」を回避し、ポートフォリオの構成比率を体系的に改良するアクティブなアイディアを採り入れています。また、経済規模を反映しながら、株式エクスポージャーを幅広く分散し、魅力的なパフォーマンスを実現することを目標としています。

問:PIMCOとリサーチ・アフィリエイツ社の一連の株式戦略が、どのようにスマート・ベータのアプローチを採り入れ、これを基盤としているのか、具体的に説明してください。
答:リサーチ・アフィリエイツ社のRAFIファンダメンタル・インデックスのポートフォリオ構築プロセスと同じように、PIMCO RAEファンダメンタル戦略は、企業の売上高、キャッシュフロー、配当、純資産価値など株価以外の指標に基づいて銘柄選択およびその構成比率の決定を行うところからスタートします。これにより、ポートフォリオの構成比率を株価に結び付けることなく、企業の「規模」に応じてポートフォリオの配分を決定することが可能になります。その上で、リターンをさらに改善すべく、アクティブかつ体系的なテクニックを用いて、ポートフォリオの改良を図ります。

こうした体系的なポートフォリオの改良では、財務の健全性を重視し、モメンタムを考慮に入れた資産配分を行うことで、リサーチ・アフィリエイツ社がより収益性が高まると判断するものにポートフォリオのアクティブ・ウエイト(市場対比でのアウトパフォーマンスを目指す部分)を再配分します。これにより、全体として、安値で買い高値で売るという原則を内包する、効率的なエンハンスト株式運用アプローチが形成されます。学術調査は、このようなアプローチが時間とともに魅力的かつ構造的なアウトパフォーマンスにつながることを示しています。しかし、重要なのは、このアプローチが、ポートフォリオの回転率と取引コストを比較的低い水準に抑えることを目標としつつ、十分な運用規模を確保できるように設計されていることです。

問:スマート・ベータの概念を推進する上で、積極的に採り入れたルールはどのような効果を発揮するのでしょうか。
答:RAEファンダメンタル戦略では、ボラティリティを高めることなく期待リターンを向上させられる、再現性の高い投資機会を特定し、ルールに基づく投資を実践します。重要な点として、使われるルールは改善されていきますが、私たちは、厳格な見直しプロセスを確実に実施した上で、新たな改良を採り入れています。

たとえば、破綻に近い状態という外見上の理由で「割安感」を伴う企業に関しては、投資配分を縮小または削除します。同じように、とりわけ健全性が高い印象のある企業に関しては、エクスポージャーを増やします。また、私たちのリサーチは、短期的なモメンタムに対して逆張りする取引は回避するべきであると主張しています。このため、リバランスにおいては、いわゆる「落下するナイフ」をつかむことがないように、直近の価格のモメンタムを調整するプロセスを採用しています。また、アクティブ・ポジションについては、分散効果による恩恵を追求することを意識しています。価格上昇余地を高めるために、比較的割高なバリュー企業から割安なグロース企業に投資配分をシフトすることは、スタイルによる分散方法と言えるでしょう。また、企業規模を基準にポジションを分散することによって、大企業にオーバーウエイトまたはアンダーウエイトが集中する状況を回避しつつ、市場価格が適正ではない可能性のより高い小企業向けにエクスポージャーをシフトすることが可能になります。

各企業に対する投資配分は、「ファンダメンタルズ指標」と「体系的なルール」の両方を考慮して、最終的に決定されます。後者に関しては、株式市場を一貫して大きくアウトパフォームすることを目標に、市場を幅広く代表する分散されたポートフォリオを構築することを目指しています。

問:PIMCO RAEファンダメンタル戦略の全容を教えてください。
答:PIMCOとリサーチ・アフィリエイツ社は、10年前、つまり「スマート・ベータ」という用語が登場するかなり前の段階で、スマート・ベータを基盤とするRAEファンダメンタル・インデックス・プラス戦略を初めて開発、導入しました。

それ以来、エマージング市場株式、小型株式、国際株式、グローバルおよび先進国株式などのセクターだけでなく、マーケット・ニュートラル戦略、低ボラティリティ戦略、そして昨年12月に導入したワールドワイド・ロング・ショート戦略などを加えることによって、RAEプラスの商品ラインアップを拡充してきました。RAEプラス株式戦略は、さまざまなRAEファンダメンタル株式エクスポージャーとPIMCOの定評あるストックス・プラスの手法を組み合わせ、株式エクスポージャーを絶対収益型債券アルファ戦略によって補完し、リスクを分散させつつ株式リターンを向上させることを目指したものです。これにより、両社の専門性と強みの融合を基盤とし、株式市場を一貫して大きく上回るリターンを長期投資家に提供することを目指した強力な組み合わせとなっています。

直近では、PIMCORAEプラットフォームに、現物株式への投資を通じて、米国大型株、米国小型株、国際株式、エマージング市場株式、グローバル株式(米国を含む)、グローバル株式(米国を除く)など幅広いエクスポージャーを取得する、RAEファンダメンタル戦略が加わりました。PIMCOでは、リサーチ・アフィリエイツ社との長期的かつ良好な関係の深化を通じて株式分野におけるソリューションの拡充を投資家の皆様にご提供できることを喜ばしく思っています。

著者

John West

リサーチ・アフィリエイツ社クライアント戦略統括責任者

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ご留意事項

絶対収益ポートフォリオは株式市場が好調な場合でも追随するリターンとならない場合があります。債券市場への投資は市場、金利、発行者、信用、インフレ、流動性などに関するリスクを伴うことがあります。ほぼ全ての債券及び債券戦略の価値は金利変動の影響を受けます。デュレーションの長い債券及び債券戦略は、より短い債券及び債券戦略と比べて金利感応度と価格変動性が高い傾向にあります。一般に債券価格は金利が上昇すると下落し、現在のような低金利環境ではリスクが高まります。債券取引におけるカウンターパーティーの取引能力の低下が市場流動性の低下や価格変動制の上昇をもたらす可能性があります。債券への投資では換金時に当初元本を上回ることも下回ることもあります。外貨建てあるいは外国籍の証券への投資には投資対象国の通貨価値の変動や経済及び政治情勢に起因するリスクを伴うことがあり、新興成長市場への投資ではかかるリスクが増大することがあります。モーゲージ担保証券や資産担保証券は金利水準の変化に対する感応度が高い場合があり、期限前償還リスクを伴い、また、一般的には政府または民間保証機関による何らかの保証が付されていますが、民間保証機関が債務を履行する保証はありません。高利回りで低格付けの証券はより高格付けの証券よりも高いリスクを伴います。 また、それらへ投資しているポートフォリオは投資していないポートフォリオに比べてより高いクレジット・リスクと流動性リスクを伴う場合があります。株式の価値は一般的な市場、経済、産業の実体と見込み両方の状況によって減少する可能性があります。デリバティブ商品を利用することにより、コストが発生する可能性があり、また流動性リスク、金利リスク、市場リスク、信用リスク、経営リスク、そして最も有利な時点でポジションを清算できないリスクなどが発生する可能性もあります。デリバティブ商品への投資により、投資元本以上の損失を被る可能性もあります。分散投資によって、損失を完全に回避できるわけではありません。

本資料で言及した投資戦略が、あらゆる市場環境においても有効である、またはあらゆる投資家に適するという保証はありません。投資家は、自らの長期的な投資能力、特に市場が悪化した局面における投資能力を評価する必要があります。