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インデックスの構成銘柄変更は投資の好機​​​

債券のベンチマークをトラックするパッシブ運用者は、発行体がベンチマークから除外された場合、その本質的な価値が直ちに変わらないとしても、売却を余儀なくされることになります。その結果、アクティブ運用者には、より割安な価格で購入する機会が生まれる可能性があります。

4月には、総額3,000億ドルを超える1,000銘柄以上の債券が、ブルームバーグ・バークレイズ米国総合インデックスから除外されます。

このような変更は、堅固なリサーチ機能を有する債券のアクティブ運用者には有利に、パッシブ運用者には不利に作用する傾向があります。

債券のベンチマークをトラックするパッシブ運用者は、発行体がベンチマークから除外された 場合、その本質的な価値が直ちに変わらないとしても、売却を余儀なくされることになります。売却が価格の下落に結び付きやすいことは、言うまでもありません。その結果、アクティブ運用者には、より割安な価格で購入する機会が生まれる可能性があります。

今回の銘柄変更はインデックス・ルールの変更に伴うもので、2017年4月1日以降、インデックス適格となる国債、政府機関債、社債の時価総額の最低水準が、2億5,000万米ドルから3億米ドルに引き上げられることにより、それらの債券が除外されます。除外銘柄の本質的な価値が変わらない場合でも、ルールの制約を受けるパッシブ運用者は、ファンダメンタルズとは無関係に売却を強いられることになります。

追加銘柄と除外銘柄
同じような事例として、1年ほど前には、原油などのコモディティの価格の急落に伴い、天然資源生産企業が発行する1,000億米ドル以上の債券の格付けが投機的階級に引き下げられました。

一例を挙げると、2016年1月と2月には、銅採掘大手のフリーポート・マクモラン(FCX)の債券が投機的階級に格下げされました。その後、時価総額は急回復を遂げ、ハイイールド市場の1%近くを占めるようになりました。

この事例では、債券のパッシブ運用者は2度も痛手を被ることになりました。まず、投資適格のパッシブ運用者は、売却を余儀なくされました。一方、ある大規模なハイイールド債の上場投資信託(ETF)の例では、同銘柄を買い集め、トラックするハイイールド・インデックス(時価総額加重ベース)における同銘柄の構成比率を実現するまでに数カ月間を要し、ポジション構築が完了した4月末には、同銘柄の価格はムーディーズによる格下げ後の最安値の2倍を超える水準にまで回復していました(図表1)。

独自の格付け評価
インデックスの構成銘柄変更は、アクティブ運用者にとって超過収益の源泉となります。また、PIMCOが堅固なボトムアップとトップダウンのリサーチを重視する背景の1つでもあります。

リサーチの主な目的は、「ライジング・スター(投資適格階級に格上げされる見通しのハイイールド銘柄)」と「フォーリン・エンジェル(投機的階級に格下げされる見通しの投資適格銘柄)」を特定する ことにあります。アクティブ運用者にとって、主要格付会社による格付け変更を正確に予測することが、超過収益獲得につながる可能性があります。

実際に、ブルームバーグ・バークレイズ・インデックスによる分析では、「ライジング・スター」の価格は格上げの数カ月前に上昇する傾向があり、その場合、パッシブ運用者は利益獲得の機会を逸する可能性があります(図表2)。反対に、「フォーリン・エンジェル」の価格は格下げよりかなり前に下落して、その後も、パッシブ運用者がインデックスとの関連から継続保有できない債券を売却する結果、下落し続ける傾向があります。アクティブ運用者は、このような場合の損失を回避することが可能です。

債券は違う
残念なことに、クレジット・リサーチには、このように潜在的なメリットが存在するものの、普及度において株式リサーチに大きく遅れており、大規模なチームを編成する際には大きな課題が伴います。

主な要因の1つは、債券市場の規模であると考えられます。PIMCOでは、クレジット市場において、ハイイールド債、投資適格債、バンクローン、エマージング国債、地方債、証券化商品を始めとする44,000以上の銘柄をカバーしています。これに対して、MSCI全世界インデックスは14,447銘柄が対象で、グローバル株式の投資機会の99%をカバーしています(2016年末現在)。

債券を最も幅広くカバーしているのは格付会社のようですが、格付けレポートは主に相対的なリスクを評価するものであって、投資判断を示すものではありません。また、格付会社には、ルールに基づく機械的な格付手法を採用する傾向があります。このような手法は、一貫性と透明性の改善に寄与することはあっても、債券投資家にとって重要になり得るリスクを予測できないケースが頻繁に見受けられます。

このような背景から、PIMCO独自の格付けの約60%は、主要格付会社の平均格付けと異なっています(2016年末現在)。

PIMCOでは、世界中の拠点において50名を超えるクレジット・アナリストを擁しています(2016年末現在)。各アナリストは、担当業種の調査を行い、企業経営者と面談し、相対価値の分析を行い、PIMCOのマクロ経済見通しを踏まえた詳細な評価レポートを企業ごとに作成します。

4月に入って、パッシブ運用者が総額3,000億ドルを超える1,000銘柄以上の債券を強制的に売却するタイミングを、アクティブ運用者は待ち構えています。

クリスチャン・ストラックはPIMCOのグローバル・クレジット・リサーチ・グループの統括責任者です。 

著者

Christian Stracke

グローバル・クレジット・リサーチ・グループの統括責任者

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