3月14、15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利上げが決定されたこと自体は大きなサプライズとはならなかったものの、声明文の内容は予想以上に注目に値する内容となりました。米連邦準備制度理事会(FRB)は事あるごとに金融政策は「(経済指標など)データに依存する」とコメントしているものの、PIMCOがこれまで主張してきたように、データに依存すること自体は金融政策ではありません。今回の声明文は、金融政策の目標と中立的な政策金利に回復する道筋の想定をFOMC参加メンバーによる政策金利予測である「ドット分布」を通じて示した点において、踏み込んだ内容だったと言えるでしょう。

重要な点として、ドットの中央値が示す正常化への道筋は前回予想時(2016年12月)から変更されず、2017年と2018年に3回ずつ(今回の決定を含む)フェデラル・ファンド(FF)金利を引き上げる見通しが示されました。また、同じように重要な点として、今回の声明文には、「安定的」かつ「持続的」で2%のインフレ目標と「上下に対称的」な物価の動向に沿った形で利上げが進められるという見通しが、新たに追加されました(FRBが米国のインフレ指数としてコアPCE(個人消費支出)を重視していることにご留意ください。より一般的な消費者物価指数(CPI)のコア指数(年率)は2月末時点で2.2%でした)。

今日に至るまで、FOMCの声明文やFRBの要人によるコメントは、リスク管理的な立場に偏った内容でした。FRBは今回、利上げの決定に合わせて、今後も段階的かつ定期的に利上げを進める方向性を確認することによって、米国経済の底堅さをある程度確信しているというメッセージを伝えるとともに、2%のインフレ目標は上下に対称的であって、インフレの上振れは下振れと同様に許容できないという立場を明確にしました。

トランプ政権が最終的にどのような財政政策を採用するのかは、確かなことは誰にも分かりません。しかし、FRBは、仮に財政政策が行われないと仮定した場合でも、米国経済は緊急時の対応である超低水準の政策金利をもはや必要としない、というメッセージを残しました。

著者

Richard Clarida

Former Global Strategic Advisor, 2006-2018

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