PIMCOブログ

飢餓問題の解消におけるフードバンクの重要性

飢餓問題との戦いにおいて、フードバンクは極めて効果的な組織であるとPIMCOでは考えています。フードバンクを支援することが、全ての人々にとってのより良い未来を創ることにつながります。

飢餓に国境はありません。貧しい地域であるか、比較的裕福な地域であるかに関わらず、飢餓による破壊的な影響は驚くほど共通しています。全世界で、約6億9,000万人もの人がお腹を空かせたまま眠りについています。また、アクション・アゲンスト・ハンガー(世界の飢餓や栄養失調問題に取り組むNGO団体)の推計によると、5才以下の子どものうち重度の急性栄養失調に苦しむ子供は、1,400万人に達しています。このように悲劇的な状況の背景にあるのは、貧困、気候の変動、政治的な対立です。

PIMCOでは以前より、飢餓問題の解消に取り組んできました。従業員はPIMCO基金を通じて、PIMCOが拠点を置く南カリフォルニアをはじめとする各都市のフードバンク(「食料銀行」を意味する社会福祉活動を行う団体)に対して、ボランティア活動の一環として募金を進めてきました。人間が最低限必要とする食糧の確保に全てのエネルギーを注いでいては、家族を養い、教育を受け、仕事を続けるのもままならないことを理解しているからです。また、南アフリカ農村部の貧しい子供たちに昼食を提供するだけでも、彼らの教育に直接的な影響を与え、教育の成功につながることを、目の当たりにしています。

飢餓は根深い問題であり、新型コロナウイルスの感染拡大によってさらに深刻化しています。このため、PIMCOでは最近、世界最大のフードバンクのネットワークである グローバル・フードバンキング・ネットワーク (GFN)に対するコミットメントを、大幅に拡大することを発表 しました。これは、これまでに実行した食糧不足の問題に向けた大規模な投資に加えて行うものです。

2006年に創設されたGFNは、フードバンクのネットワーク拡大と、飢えた人々へのより効率的、効果的な食糧提供に取り組んでいます。2020年には、前年を63%上回る、44カ国の2,700万人以上の人々に対して食糧を提供しています。

早急に必要なこと

食糧支援の拡大は急務です。新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的流行)が発生する前は、栄養価の高い安全な食糧を定期的に確保できない人々が、6億9,000万人ほど存在していました。国際連合(国連)が昨年公表した報告書の推計によると、パンデミックの影響によって栄養不足に陥る人々は、2020年末までに最大1億3,200万人増えるということです。多くの地域がこの問題を抱えていますが、中でもサハラ以南のアフリカや東南アジアの状況は特に深刻です。

飢餓や栄養失調によって、人々の潜在能力は失われてしまいます。健康、教育、雇用適性、生産性はいずれも損なわれ、経済的発展の阻害要因にもなります。国連によると、特に影響をうけるのは飢餓人口の60%を占める女性(成人・未成年)です。

また、2030年までの飢餓撲滅を目指す国連の目標には、遅れが生じています。そのため国際社会はこの問題に対処し、全ての人々にとってより良い未来を創造するために、さらに努力していかなくてはならないのです。

飢餓解消にコミットするPIMCOの取り組み

グローバルカンパニーであるPIMCOは世界が直面する喫緊の問題に取り組む責任があります。PIMCOの社会的責任プログラム、Purpose at PIMCOでは、GFNをはじめ世界中で活躍する非営利のパートナーに対して寄付を提供し、従業員の能力を生かして行動し、運用業界の中で率先して変化を提唱しています。

PIMCOの従業員は長年にわたって、在庫管理用のITシステムの構築、食品流通のための市場分析、世界中の流通センターでの食品梱包などを通じて、飢餓問題に取り組むパートナーを支援するボランティア活動を進めてきました。

飢餓やジェンダー不平等の問題と戦うことは、人類の発展と世界経済の持続可能な成長のために、重要な取り組みであると考えています。

なぜフードバンクなのか

より多くの飢えた人々に食事を提供し、飢餓の根本的原因に対処するための資金提供を増やすには、フードバンクが最も効率的で費用対効果の高い方法のひとつであるとPIMCOでは考えています。フードバンクは、安全でありながら販売できないために破棄される運命にある食糧を、農場から食料品メーカー、小売店に至るサプライチェーンの各ポイントから、収集し、配布しています。

飢餓の削減に加えて、雇用の提供や地元企業からの商品・サービスの購入を通じてコミュニティ作りにも貢献し、対象地域の経済を活性化させています。食糧を寄付することによって、低所得世帯に食料以外の生活必需品を購入する経済的余裕が生まれることも、重要なポイントです。

PIMCOの従業員は、ニューポートビーチ、オースティン、ニューヨーク、その他世界各国の拠点から、飢餓撲滅の手段としてフードバンクを支援しています。また、貧困層に食糧を届けるために、時間的、経済的な支援を提供してきました。PIMCOでは2018年以降、GFNをはじめとする慈善団体パートナーに対して約6.2億円(約560万米ドル)の寄付を行なうとともに、全世界の約360万人に対して食糧を提供してきました。

民間セクターの役割

PIMCOのアプローチは地域社会に前向きな変化をもたらすとともに、社内全体に目的意識を生み出すと考えています。他社に対しても、市場競争力を高め、全ての人々にとってより公正で持続可能な世界を創り出すために、同じように経済的、人的資源を活用するように呼びかけています。 

飢餓撲滅とジェンダー平等の提唱に対するPIMCOのコミットメントの詳細は、ホームページ「Purpose at PIMCO」ご覧ください

エマニュエル・ローマンPIMCOの最高経営責任者(CEO)です。

(2021年6月9日発行)

著者

Emmanuel Roman

最高経営責任者(CEO)

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寄稿文

中国の資源需要は当面衰えず

日経ヴェリタス Market Eye寄稿文(2021年8月22日付)

中国では、急成長により短期的には石炭等の化石燃料に関連するコモディティー需要が高まると予測されるものの、脱炭素化が進められるにつれ、中・長期的には再生可能エネルギーに関連するコモディティーへの需要へシフトすると見ています。

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日本経済新聞夕刊十字路(2021年7月21日付)

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