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PIMCO短期経済予測「減速の先に」の主なポイント

直近の短期経済予測では、世界経済が減速した後について述べています。

PPIMCOでは今年5月の長期経済予測会議で、「創造的破壊」を長期見通しのテーマに掲げましたが、この数ヶ月、投資家は、米中間の貿易戦争の激化、英国やイタリアの政権交代、トランプ大統領の米連邦準備制度理事会(FRB)批判、8月の債券利回りの急低下など、創造的破壊をもたらす様々な要因への対応に追われてきました。

直近の短期経済予測で説明しているように、PIMCOでは、世界経済の減速期は2020年まで続き、回復に転じるのか景気後退に陥るのかについて不確実性が高まると予想しています。

景気後退か回復か?

PIMCOの基本シナリオでは、今後数四半期は脆弱な低成長期が続くものの、経済全般を下支えする財政政策と、先進国、エマージング諸国両方でのさらなる金融緩和を受けて、米国および世界経済は2020年中に緩やかな回復に転じると予想しています。

しかしながら、政治的不確実性が高まり、左右のテールリスクが肥大化している現状を踏まえると、この基本シナリオに対する確信はこれまでのように強いものではありません。基本シナリオよりも良い結果あるいは悪い結果をもたらしうる主な要因は2つ考えられます。

変動要因

見通しを左右する第一の要因は、貿易政策です。貿易戦争がさらに激化すれば、既に減速しつつある世界経済は簡単に不況に突入しかねません。他方、米中の包括的な貿易協定で、既に実施されている追加関税と、今後予定されている関税引き上げの大半が撤廃されれば、世界経済は2020年に同時に再加速する可能性があります。しかしながら、限定的な貿易協議は可能であるものの、米中間の緊張は完全に鎮静化するわけではなく、くすぶり続ける可能性が高いという見方がPIMCOの基本シナリオです。

経済や市場を左右のテールシナリオへ追いやる可能性のある、もう1つの主な要因が、金融政策と財政政策です。PIMCOの基本シナリオでは、FRBは6月と9月の2回の利下げに続き、向こう数四半期は追加緩和を実施し、米国債のイールドカーブの逆転は解消され、景気後退リスクは低減されるとみています。ただし、FRBの対応が市場の期待を下回るリスクがあり、そうなればリスク資産が大幅に下落し、信用状況が引き締まる可能性があります。

逆に、経済成長を上振れさせる可能性のある主要な要因としては、包括的な貿易協定の他に、主要国の財政政策がより拡張的になることが挙げられます。

投資への意味合い

世界経済が減速している間は、元本保全を重視し、ポートフォリオにおけるトップダウンのマクロリスクは相対的に軽微に抑え、社債、株式については慎重な姿勢を取り、状況が明確になるまで様子を見て、好機が訪れた時にそれを活かす方針を取るのが賢明であると考えます。

グローバル経済の2020年の見通し、および投資家にとっての意味合いについてさらに詳しいPIMCOの見解は、最新の短期経済予測「減速の先に」をご覧ください。

ヨアヒム・フェルズはPIMCOのグローバル経済アドバイザーであり、PIMCOブログの定期的寄稿者です。

著者

Joachim Fels

グローバル 経済アドバイザー

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