PIMCOブログ

2019年国際女性デー:金融業界の女性に対するグローバルな視点

PIMCOの世界3拠点のリーダー達が、自身のキャリア経験と、金融業界での女性活躍の現状についてご説明します。

3月8日の国際女性デーに鑑み、PIMCOの3拠点から、ソナリ・ピエル(アメリカ地域のポートフォリオ・マネージャー)、イン・ハイニン(グレーターチャイナの地域統括責任者)、イレーニ・シファキス(欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域担当のアカウント・マネージャー)の3名に、自身のキャリア経験と、金融業界での女性活躍の現状について聞きました。

問:ポートフォリオ・マネージャーとしてキャリアを積まれていますが、モーニングスター社によれば、世界56ヶ国でファンドを運用している女性マネージャーは約2割にすぎません。どうすればこの業界にもっと女性を惹きつけることができるでしょうか。

ソナリ・ピエル:確かに、優秀な女性を運用業界に惹きつけ、長く働いてもらうには大きな努力が必要です。とはいえ、この業界は貢献度が数字で見える魅力ある業界で、それゆえに女性に限らずあらゆる多様な人材を惹きつけることが可能なはずです。多様な視点や意見はより強固なポートフォリオを創り上げ、より良い投資アイデアを生み出し、それがお客様の目標を達成するためのイノベーションに結び付きます。特に多様な考え方は、無意識のバイアスや「集団思考」の罠を打ち破る可能性を持っています。PIMCOでは、感情ではなく分析に基づく投資家としての意思決定を行うべく、認知バイアスの排除に努めています。

女性に限って言えば、女性は消費の鍵を握る意思決定を行ない、そのため、GDPの主要な構成要素に影響を与えます。また、既に女性は民間部門における世界の富の大きな部分を保有し、その割合は拡大しつあります。従って、投資に対する女性の見方は非常に大切です。

いくつかの団体が、女性の金融業界に対する認知向上とキャリア促進に尽力しています。最近では100 Women in Financeが、同僚、お客様、業界を目指す次世代の女性に優秀な女性を紹介するため、女性ファンドマネージャーの知名度向上のキャンペーンをスタートさせました。またPIMCOでは、金融業界における女性の増加を目指す非営利団体、Girls Who Investとパートナーシップを結びました。この団体は、集中的な教育やインターンシップ、業界内でのネットーワーキングやメンター紹介の機会を提供しています。

これらは女性のポートフォリオ・マネジメント業務への進出と成功を促すための大きなステップと言えます。

問:アジアでは、女性のリーダーシップの役割に関し、どのような進展が見られますか。また、今後どのようなチャンスがあると見ていますか。

イン・ハイニン:アジアの多くの国では、既に職場の多様性はかなり高まっています。PIMCOの他拠点の同僚たちは、PIMCOのアジアの拠点で、また広く金融業界でアジアでこれほど多くの女性が働いていることに驚いています。さらに、彼らがアジア各地を訪れミーティングを行うと、圧倒的に多くの女性幹部が先方のテーブルに着くことに驚きます。しかし、香港、中国本土、台湾、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピンなどでは、これは実際によくあることです。

金融業界で多くの女性が働いている理由のひとつは、アジアにおける支援の仕組みにあります。アジアでは、多くの女性が両親共働きの家庭に育ち、それが男性にも女性にも、現在のプロフェッショナル世代に影響を与えてきました。それに加え、家族そのものに支援できる体制が整っています。祖父や祖母がさまざまなかたちで支えてくれます。また、チャイルドケアやヘルパーのサービスは、アジアの国々で広く利用可能です。従って、アジアの多くの女性にとって、キャリア形成は働くか家庭に入るかのトレードオフの関係にあるのではなく、キャリアと家庭を両立させ、さらには両者を一層充実させるための問題解決の手段なのです。これは女性にとって非常に心強いことです。

多様性豊かな社会は、女性にも男性にとっても、より広いネットワークづくりとメンターシップをしっかりと支える土台となります。この10年間、PIMCO Womenという取組みを通じてPIMCOにおけるインクルージョン、ダイバーシティ&カルチャー(IDC)を推進してきました。働く女性に対する意識を高め、支援するために、外部のスピーカーによる講演や内部でのディスカッション開催により、女性支援を目指してきました。そのような啓発的なリーダーシップのもとでの対話が、PIMCOの今日のダイバーシティーに対する見方の形成に貢献してきたと思います。 

問:EMEAでは、ダイバーシティーに対する投資が、PIMCOの職場や金融業界全般にどのような価値をもたらしているとみていますか。また、今後どのような進展が期待できますか。

イレーニ・シファキス:PIMCO EMEAでは、カルチャーの多様性が常に重要な役割を果たしてきました。この地域が28の国と20の公式言語をカバーする事実を考えれば当然と言えます。私自身、ギリシャとフランスで育ちさまざまな文化の寄せ集めとも言え、スイス、中国、米国、英国で学び、働いてきました。PIMCOのEMEAの各拠点では、私のような経歴は珍しくなく、むしろ一般的です。多くの多様な社員がいなければ、お客様の考え方を理解し、さまざまな国でより適切にニーズに応えることはできません。

多様な人材の中から社員を採用することは企業としての優先事項です。そのため、資産運用業界でのキャリアを視野に入れていない女子大学生に、早くから効果的にコンタクトする努力をしてきました。社内人事部門と協力し、ヨーロッパ各地の多くの特定大学とパートナーシップを結び、キャンパスでのイベントを主催し、参加してきました。その努力がわずか1年で大きな成果に結びつき、前年20%だった女性志願者数の割合は全体の29%に上昇、400人以上の女子学生からの応募がありました。

他にもできることは多々あります。

女性採用のほかに、少数民族や多様な社会経済的なバックグラウンドを持つ人材発掘にも引き続き注力していきます。SEO(Sponsors for Educational Opportunity)ロンドンなどの組織と密接に連携し、いまだ社会的流動性と雇用機会の壁にぶつかる少数民族への働きかけを増やしていきたいと考えています。EMEAでは2019年初めて、大卒新入社員のうち、SEOから紹介された3名を営業チームに迎えました。

新規採用に限らず、既に社員となった人々の才能をさらに引き出し、育て、彼らの多様な見方による会社への貢献を促したいと考えています。これまで着実に進んできましたが、今後更に勢いを増すでしょう!

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ソナリ・ピエルはエグゼクティブ・バイス・プレジデントであり、ニューポートビーチを拠点とするハイイールドおよびマルチセクター・クレジット担当のポートフォリオ・マネージャー。 イン・ハイニンはエグゼクティブ・バイス・プレジデントであり、香港を拠点とするグレーターチャイナの地域統括責任者。イレーニ・シファキスはシニア・バイス・プレジデントであり、ロンドンを拠点とするアカウント・マネージャー。欧州地域でのインクルージョン、ダイバーシティ&カルチャー(IDC)推進担当も務める。

著者

Sonali Pier

ハイイールド・クレジット担当のポートフォリオ・マネージャー

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