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クレジット市場:BBB格へ投資するか否か

今年、金融関連メディアと投資家は、米国投資適格社債のBBB格に注目しています。この大きな市場におけるリスク管理には、注意深い銘柄選択とアクティブなポートフォリオ管理が不可欠です。

金融関連メディアと投資家は今年、米国投資適格社債のBBB格に注目しています。ICE BofAメリルリンチの米国社債BBB格インデックスと米国コーポレート・マスター・インデックスによれば、BBB格社債の時価総額は3.1兆ドル(10年前のほぼ4倍)に及び、投資適格社債市場の半分近くを占めています。

BBB格に関する懸念としては通常以下の2点が挙げられます。(1)金利上昇によるリファイナンスリスク、(2)特にBBB格の中でも一番低位のBBB-格に関するハイイールドまたは「ジャンク」債ユニバースへの格下げリスクです。

米国の非金融セクターBBB格債の満期は10年以上の年限のものが多く、一般に満期は均等に分散されています(出所:ICE BofAメリルリンチ米国社債BBB格インデックスおよびJPモルガンのデータ)。このため現在金利は上昇していますが、リファイナンスリスクの懸念はそれほど高くありません。2008年の大口LBO(レバレッジドバイアウト)による調達を主因としたハイイールド債券市場、ローン市場の「満期の壁」が大いに懸念された状況とは全く違う状況です。

格付けモニタリング

ハイイールドへの格下げに関して最も懸念されるのは、例え一社でも格付け会社がネガティブ・アウトルックあるいはネガティブ・ウォッチとした米国BBB-格銘柄です。クレディ・スイスによるとそのような証券は約950億ドルあり、主にパイプライン、メディア、テクノロジー・セクターに集中しています。これらの銘柄の多くは結局は格下げされることはないとしても、過去4年間ほぼ残高が変わっていない1兆3,000億ドル米国ハイイールド市場全体からみれば、950億ドルは信じ難いほど大きな数字です。また、米国では2018年これまで投資適格への格上げ(ライジング・スター)が、ハイイールドへの格下げ(フォーリン・エンジェル)を1.7倍上回っている(出所:クレディ・スイス)点にも注目しています。

一方では最もレバレッジの高いBBB格社債が、M&Aのシナジー効果と投資適格を維持するための債務返済を見込んだ、最近のM&A取引に関連した銘柄である点にも注目しています。こうした銘柄は景気低迷期にはキャッシュフローがひっ迫し、投資適格を維持するために厳しい選択を迫られることから特にリスクが高くなるでしょう。

加えて、広く投資適格債市場全体で格付けの劣化は継続しており、健全な実質GDP成長率と企業収益の伸びが見られる中においても、2018年年初来の格下げ(投資適格の中での格下げ)は格上げの2倍のペースで発生(出所:JPモルガン)しています。

以上のことから、次の景気後退期においてフォーリン・エンジェルから発生する損失を緩和するためには、慎重な銘柄選択とアクティブなポートフォリオ管理が極めて重要な役割を果たすことになると考えています。

著者

Hozef Arif

クレジット担当ポートフォリオ・マネージャー

Lillian Lin

投資適格債担当 ポートフォリオ・マネージャー

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