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中国共産党第19回全国代表大会:新たなサイクルか

習近平国家主席の権力が強化されれば、第19回中国共産党大会は今後10年間の決定的な瞬間となるでしょう。

5年に一度、中国で最も重要なイベントとされる中国共産党全国代表大会は、今後10年間の人事、政策、制度の政治的な景観を塗り替える可能性があります。

10月18日に迫った中国共産党第19回全国代表大会では、これまで以上に大きな改革が導入されるかもしれません。習近平国家主席がどれほど権力を掌握できるかにもよりますが、20年に及ぶ集団指導体制と合意形成による慎重なルール作りにピリオドを打ち、中国の長期的な課題に対し、より強固な姿勢で取り組めるようになる可能性があります。

第19回共産党大会ではどのようなことが予定されていますか。

当大会が始まると、習近平中国共産党総書記・国家主席が、8,900万人の共産党員の上層部である、約2,300人の共産党議会党員代表に対し、ワーキング・レポートを発表します。そのレポートは、過去5年の教訓と実績をまとめたもので、次期(2022年まで)、さらにそれ以降の中国の包括的なビジョンを示すものです。その計画の全体的な支持を固めるために、現執行部によるグループ・ディスカッションがその後に行われます。

10月24日には、205人の中央委員と171人の候補委員からなる、第19期中国共産党中央委員会のメンバーが選出されます。その後、共産党大会は習首席によるスピーチで幕を閉じます。

翌日、新たな中央委員による最初の全体会議が行われ、25人の中央政治局のメンバーと、さらに重要な、党の指導部の中心となる中央政治局常務委員会(現在7名の構成員だが変更される可能性もある)が選出されます。

注目点

この5年間の急進的な反腐敗運動による粛清の後で、来たる党大会が、2007年のように典型的な任期途中の権力の入替えにとどまる可能性は低いでしょう。習首席は権力を掌握するとの予想がコンセンサスですが、問題はその強さであり、政治局常務委員会など党の指導部に、より急進的な制度的変化が見られるかです。もし習首席の権力が一層強まれば、第19回党大会は、実質的に新たな政治サイクルのスタートとして、次の10年を決する転機となるでしょう。

PIMCOでは、以下の3点に注目しています。

1. 習首席は中国の最高権威の指導的立場に立てるのか、同氏のイデオロギー「習近平思想」が明確になり、党の主流イデオロギーにとして認められるのか。

2. 中央政治局員の構成や引退をめぐる慣例など、通常の2期10年間よりも長い指導者としての任期延長への扉を開く、制度的な変更があるのか。

3. 中央政治局員と常務委員会の変更に伴い、誰がマクロ経済チームを率いるのか。党大会後は、副首相、国務院のメンバー、中国人民銀行(PBOC)総裁はすべて入れ替えられる可能性が高くなります。

党大会のマクロ政策上の意味

中国の2018年の具体的な政策目標は、新指導部により、年末近くに開かれる年次の中央経済工作会議で決定されるでしょう。PIMCOでは、来年の経済政策は、「金融リスクのコントロールとマクロ経済の安定」に注力する現政策が継続されるものとみています。現状よりやや低い成長目標(2018年から2020年までの間の成長率が6~6.5%であれば、2020年までにGDP倍増できるという2010年に設定された目標)が設定され、金融政策はややタカ派的な姿勢が維持される可能性が高いでしょう。金融規制は再強化され、資産制限は一層強化、緩慢な財政政策の手綱は少しずつ引き締められるでしょう。

7月に副首相レベルで組成された新たな金融安定発展委員会(FSDC)は、2015年から2016年の厳しい市場ショックで頂点に達した、システミックな金融リスクを抑制するよう、今後の金融政策と予算・財政政策の緊密な調和を図る役割を担うでしょう。FSDCの組成はマクロ経済の安定に対し、よりバランスのとれた、首尾一貫した政策に対する強い意志の表明を意味し、この組織の運営に新たに任命された副首相が、マクロ政策を形成する鍵を握るでしょう。

グローバル経済と中国の短期的なマクロの見通しについては、最新の短期経済予測「これ以上は望めない」をご覧ください。

「これ以上は望めない」を読む

著者

Isaac Meng

エマージング・マーケット担当のポートフォリオ・マネージャー

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