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中国情勢のアップデート: グローバルな投資家にとっては ⼈⺠元がすべて​

国では昨年、金利が大幅に上昇したことを受けて、社債発行がキャンセルとなる事例が数多く見られ、一部の中国企業の資金繰りの悪化要因となりました。

グローバルな投資家は、中国に関する動向をどのように解釈するべきでしょうか。また、2017年初めにはどのような展開が予想されるのでしょうか。

中国の投資家が苦境に陥っていることは明らかです。過去数カ⽉にわたって⼈⺠元の下落と資本の国外流出が続くなかで、中国⼈⺠銀行は金融引き締め政策を打ち出しました。一昨年12⽉に、米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年12⽉と同様の利上げに踏み切った結果、⼈⺠元の下落傾向が定着したほか、世界中の株式、債券市場が大幅に下落したことも、さらに混迷を深めた要因でした。

PIMCOの見解では、中国は依然としてエコノミストが「トリレンマ」と呼ぶ状況に直面しています。⼈⺠元の安定化または固定化、資本の自由な移動、金融政策の独立性という3つの政策目標を同時に達成することは不可能なことが明らかになりつつあります。金融情勢が逼迫化したことを合わせて考えると、為替が引き続き「調整弁」の役割を担う見通しです。

短期的には、資本流出が続く可能性は高いでしょう。中国政府は従来以上に通貨の移動に制約を課しているものの、国⺠は年間5万米ドル相当を上限に⼈⺠元を外貨に転換することが可能であり、実際、⼈⺠元の下落が続くなかで両替の動きが進む公算が大きいでしょう。この1年間、PIMCOでは基本シナリオとして、⼈⺠元が対米ドルで5〜10%弱程度は下落すると予想してきました。同時に、中国⼈⺠銀行が⼈⺠元の自由な変動を容認するか、少なくとも変動幅を拡大する可能性が高まったとみています。

この数カ⽉間、中国⼈⺠銀行の政策の軸足は、経済成⻑の促進からレバレッジが極めて高い金融セクターの規制強化にシフトしています。このため、少なくとも2017年の早い時期に関しては、流動性は全般にタイトな状況が続き、金利は高止まりする可能性が高いでしょう。

基本的にPIMCOでは、金利上昇がこの先1年にわたって経済成⻑を下押しするとみており、2017年の実質GDP成⻑率は現在の6.7%から6〜6.5%に低下すると予想しています。悪材料がさらに顕在化し、現地通貨建て債券市場におけるストレスが解消されず、市場全体が極端に変動した場合、全般に経済成⻑に対して下押し圧⼒がかかる公算が大きいでしょう。

中国関連の投資に対するインプリケーション
現地通貨建て債券市場で売り圧⼒が高まった結果、国債の利回りが100ベーシスポイント程度、社債の利回りが200ベーシスポイント程度上昇するなど、債券利回りは大幅に上昇しました。PIMCOでは、債券利回りは向こう数カ⽉間高い状態で大きく変動するとみており、今年の半ば頃までは明確な投資の好機は到来しない可能性があります。

債券市場の混乱と資本流出が続くなかで、投資家にとってのインプリケーションは明確です。2017年もFRBの利上げサイクル(PIMCOでは2〜3回の利上げを予想)と⼈⺠元の下落が続く環境において、PIMCOでは引き続き、⼈⺠元およびその他のエマージング・アジア通貨に対して米ドルのロング・ポジションを選好しています。

ルーク・スパイッチは、アジアのエマージング市場のポートフォリオ・マネジメントを統括するとともに、アジアのクレジット・ポートフォリオ運用を担当しています。

著者

Luke Spajic

ポートフォリオ・マネージャー

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