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アセットアロケーション展望:景気サイクル延長を見据えた投資

2020年アセットアロケーション展望の主要な結論を読む。グローバル経済および市場に対するPIMCOの見通しを踏まえた、アセットアロケーションの方針などをご説明しています。

き沈みの激しかった昨年から、2020年の世界の経済成長の勢いは回復するとみています。新型肺炎をはじめとする健康に関する世界的な危機が、経済見通しの不透明感を高めているものの、経済や市場に与えるリスクは一時的なものだと考えています。景気拡大期は続き、景気後退リスクが低下したことから、デュレーションや一般的な企業クレジットよりも株式を選好しており、今年に入り、リスクに対し前向きな見方を取り始めています。バリュエーションによって期待リターンの上値が限られた環境下において、アクティブ運用は引き続き重要で、これまで同様、PIMCOは大きく立ちはだかる可能性のあるリスクと攪乱要因を注視していきます。

以下に、グローバル経済および市場に対するPIMCOの見通しを踏まえた、アセットアロケーションの方針を整理します。

全体のリスク

PIMCO Asset Allocation Outlook

世界的な金融緩和や地政学的な緊張の緩和を背景に、世界の次期景気後退は先送りされたとみて、マルチアセット・ポートフォリオでは適度にリスクオンした状態を選好しています。しかし、高騰した資産価格が、予期せぬショックによって急落する可能性にも配慮しています。そのため、さまざまなセクターや地域のエクスポージャーを厳格に選別し、同時に資産クラス内では相対価値のある投資の機会を重視しています。

株式市場

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世界の株式のバリュエーションは絶対値で見ると割高に見えますが、資本コストで標準化すれば、それほど割高ではありません。マクロ経済の安定と業績の回復は、株式に対するPIMCOの前向きな見方を支持しています。地域やセクターによって成長の軌跡はさまざまに異なると考えており、慎重に選別を行います。先進国のなかでは米国と日本を選好しており、セクターでは景気循環の恩恵を受ける優良な企業への投資に、魅力的な時期が来ると考えています。

金利

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市場は世界的に低い中立金利と少ない期間プレミアムを織り込んでいます。どちらも魅力的ではありませんが、リスクオフの事態が生じた場合、やはりこの資産クラスはポートフォリオのリスクヘッジに重要な役割を果たすと考えています。バリュエーションは頭打ちですが、インフレが影を潜めた状態が長引くほど、主要な中央銀行が利上げに動く可能性は低いとみられます。安全資産としての性格と、他の先進国市場に比べて利回りの絶対水準が高いことから、米国のデュレーションを選好しています。

クレジット

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厳選姿勢を維持しながらも、ポートフォリオのリスクオンの姿勢を反映して、クレジットは小幅オーバーウエイトとします。一般的な非金融企業のクレジットリスクに対しては強く警戒していますが、クレジット市場は二極化しており、厳選された一部の分野には投資価値があるとみています。政府機関系および非政府機関系のモーゲージ債(MBS)は引き続き選好しています。バリュエーションが魅力的で、適度にキャリーもあり、他のスプレッド資産に比べて流動性も高いためです。

実物資産

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2020年もインフレは落ち着いたまま推移するとみており、そのため、実物資産は全般的にアンダーウエイトとします。しかし、投資対象を厳選する姿勢で見直せば、インフレリスクを過小評価している資産クラスも一部見られます。実物資産はインフレ上昇に対する効果的なテールリスクのヘッジ手段で、ポートフォリオにおいて分散効果を発揮するとみられるため、米物価連動国債(TIPS)など、割安で魅力的な投資対象に適度な配分を維持したいと考えています。

為替市場

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通貨に関する強い見通しは持っていませんが、主要国以外の為替市場において有力なアルファ獲得の機会が浮上すると予想しています。他の主要通貨に対し、米ドルはほぼ中立ですが、円に対しては、PIMCOのバリュエーションモデルでも割安とみられ、「安全な避難先」としての性質を持っていることから、適度なロングポジションを選好しています。米ドルの実効為替レートはここ数十年で最も高くなっており、バリュエーションとキャリーで見ると、ブラジル・レアルやメキシコ・ペソなどの高利回りのエマージング通貨が好ましいとみています。

PIMCOの各資産クラスに関する詳細な洞察、景気サイクル予測の定量アプローチ、創造的破壊要因に対する考察について、2020年アセットアロケーション展望をご一読ください。

アセットアロケーション展望を読む

エリン・ブラウンはマネージング・ディレクターで、ニューポートビーチ・オフィスを拠点とするポートフォリオ・マネージャー。マルチアセット戦略担当。ジェラルディン・サンドストロムはマネージング・ディレクターで、ロンドンオフィスを拠点とするポートフォリオ・マネージャー。アセットアロケーション戦略担当。

著者

Erin Browne

マルチアセット戦略担当ポートフォリオ・マネージャー

Geraldine Sundstrom

アセットアロケーション戦略担当のポートフォリオ・マネージャー

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ご留意事項

「安全な避難先」通貨とは、発行政府の安定性と基盤となる経済の強さに基づき、低リスクとみなされる通貨です。すべての投資にはリスクが伴い、価値は下落する場合があります。

過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

債券市場への投資は市場、金利、発行体、信用、インフレ、流動性などに関するリスクを伴うことがあります。ほぼ全ての債券及び債券戦略の価値は金利変動の影響を受けます。デュレーションの長い債券及び債券戦略は、より短い債券及び債券戦略と比べて金利感応度と価格変動性が高い傾向にあります。一般に債券価格は金利が上昇すると下落します。低金利環境ではリスクが高まります。債券取引におけるカウンターパーティーの取引能力の低下が市場流動性の低下や価格変動制の上昇をもたらす可能性があります。債券への投資では換金時に当初元本を上回ることも下回ることもあります。一般的には中央政府によって発行され、保証されているソブリン債米国政府機関の債務は米国政府からさまざまな形で支援を受けていますが、政府による全面的な保証は付与されないことが一般的です。こうした証券に投資するポートフォリオに対する保証はなく、ポートフォリオの価値は変動します。政府が発行する物価連動債(ILB)は、元本価値がインフレ率に連動して定期的に調整される債券です。実質金利が上がった場合、物価連動債(ILB)の価値は減少します。インフレ連動国債(TIPS)は、米国政府が発行する物価連動債(ILB)です。株式の価値は一般的な市場、経済、産業の実体と見込み両方の状況によって減少する可能性があります。モーゲージ担保証券と資産担保証券は金利水準に対する感応度が高い場合があり、期限前償還リスクを伴い、また、発行体の信用力に対する市場の認識に応じてその価格は変動する可能性があります。また、一般的には政府または民間保証機関による何らかの保証が付されていますが、民間保証機関が債務を履行する保証はありません。外貨建てあるいは外国籍の証券への投資には投資対象国の通貨価値の変動や経済及び政治情勢に起因するリスクを伴うことがあり、新興成長市場への投資ではかかるリスクが増大することがあります。為替レートは短期間に大きく変動する場合があり、ポートフォリオのリターンを減少させる可能性があります。分散投資によって、損失を完全に回避できるわけではありません。

マネジメント・リスクとは、PIMCOが用いる投資手法およびリスク分析が望んだ結果を生まないリスク、また、政策や変更等が戦略の運用においてPIMCOが利用可能な投資手法に影響を及ぼしうるリスクを指します。

本資料に含まれる予測や推計及び特定の情報は独自のリサーチを基としており、投資助言や特定の証券、戦略、もしくは投資商品の推奨を目的としたものではありません。予測や推測は本質的な限界があり、実際のパフォーマンス・レコードとは異なり、現実の取引や流動性の制約、手数料およびその他の費用が反映されていません。さらに、将来の成果に関する記述は、お客様のポートフォリオの運用成果の見込みや保証をするものではありません。

アルファとは、リスク調整後の運用成績を計る指標であり、ポートフォリオのリスク調整後の運用成績のボラティリティ(価格変動リスク)とベンチマーク・インデックスを比較することによって求められます。つまり、ベンチマークに対する超過リターンがアルファを構成します。アルファはプラスの場合もマイナスの場合もあります。

金融市場動向やポートフォリオ戦略に関する説明は現在の市場環境に基づくものであり、市場環境は変化します。本資料で言及した投資戦略が、あらゆる市場環境においても有効である、またはあらゆる投資家に適するという保証はありません。投資家は、自らの長期的な投資能力、特に市場が悪化した局面における投資能力を評価する必要があります。投資判断にあたっては、必要に応じて投資の専門家にご相談ください。見通しおよび戦略は予告なしに変更される場合があります。