この1週間の市場ボラティリティの急上昇を受けて、多くの投資家は次に何が起きるのかを知りたがっています。

市場は追い風を受けながら2018年を迎えました。株式のリターンは2桁を記録し、モメンタムは強く、2017年にみられた世界経済の同時成長と企業収益の回復は2018年になっても続くと予想されています。

では、何も恐れずに全力で前進すべきなのでしょうか。そうとは言えません。最近のボラティリティ上昇が示唆しているように、風雲急を告げる可能性があります。世界の中央銀行は異例の緩和水準から脱却しつつあり、景気サイクルの最終局面での米国の大規模な財政刺激策は意図せざる結果を引き起こす恐れがあります。そして、言うまでもなく、バリュエーションもまた重要な要素です。

景気後退の予想確率を高めたり、価格水準が単に割高ではなくバブルの領域にあると考える必要があるほど、リスク資産の弱気市場が続くと言っているわけではありません。現時点でも近い将来も、そのようには見ていません。

しかしながら、バリュエーションが割高で市場のポジショニングが過多の状況では、フェンス越えの大当たりを狙うのではなく、複数の国およびセクター固有のマクロあるいはミクロの相対バリューに投資機会を見い出すことで、リターンの捻出を目指すべきだと考えます。野球やクリケットのファンなら、ボールを場外に飛ばすホームランではなく、ヒットや二塁打を狙うと言うでしょう。現在の環境では、守りを固めたうえで、願わくば小さな勝利を積み重ねることが、投資目標を達成する道筋だと考えます。

PIMCOの2018年の見通しでは、現在の市場で入手可能なあらゆる手段を活用し、平均を上回るリターンが見込めるのはどの資産クラスなのか、伝統的なリスクとオルタナティブ・リスク・ファクターをどう分散するのか、レフトテール・リスク(確率は低いが重大な結果をもたらすリスク)をどう上手くヘッジするのかなど、ポートフォリオのより良い構築と分散に役立つアイデアをご提供したいと考えています。

レポートでも論じたとおり、株式については今後もやや強気にみています。金利エクスポージャーについては全般に慎重ですが、景気サイクルが最終局面に入った現段階では国債のアロケーションが重要だと考えています。

確度の高い投資の一つとして、コモディティの組み入れを検討すべきだと考えています。ここ数年はコモディティには厳しい環境でしたが、2018年以降、いくつかの理由で投資ポートフォリオにおけるコモディティの役割が増すと考えられます。コモディティは歴史的に景気サイクルの終盤で上昇してきました。景気や収益の変化を先取りして動く株式と違って、コモディティは現状を反映しやすく、事前ではなく供給の制約が強まるにしたがってアウトパフォームする傾向があります。

アセットアロケーションについてのPIMCOの詳しい見解は、2018年アセットアロケーション展望「安打の積み重ね」をご覧ください。

「安打の積み重ね」を読む

ミヒル・ウォラーはPIMCOのアセットアロケーションおよびリアル・リターン担当CIOです。


著者

Mihir P. Worah

アセットアロケーションおよびリアル・リターン担当最高投資責任者(CIO)

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ご留意事項

全ての投資にはリスクが伴い、価値は下落する場合があります。債券市場への投資は市場、金利、発行体、信用、インフレ、流動性などに関するリスクを伴うことがあります。ほぼ全ての債券及び債券戦略の価値は金利変動の影響を受けます。デュレーションの長い債券及び債券戦略は、より短い債券及び債券戦略と比べて金利感応度と価格変動性が高い傾向にあります。一般に債券価格は金利が上昇すると下落し、現在のような低金利環境ではリスクが高まります。債券取引におけるカウンターパーティーの取引能力の低下が市場流動性の低下や価格変動制の上昇をもたらす可能性があります。債券への投資では換金時に当初元本を上回ることも下回ることもあります。ソブリン証券は通常、発行体政府によって保証されています。米国政府機関の債務は米国政府からさまざまな形で支援を受けていますが、政府による全面的な保証は付与されないことが一般的です。こうした証券に投資するポートフォリオに対する保証はなく、ポートフォリオの価値は変動します。株式の価値は一般的な市場、経済、産業の実体と見込み両方の状況によって減少する可能性があります。 コモディティは市場、政治、規制、自然などの条件により高まるリスクを伴い、全ての投資家に適しているとは限りません。本資料で言及した投資戦略が、あらゆる市場環境においても有効である、またはあらゆる投資家に適するという保証はありません。投資家は、自らの長期的な投資能力、特に市場が悪化した局面における投資能力を評価する必要があります。投資判断にあたっては、必要に応じて投資の専門家にご相談ください。