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ESG投資が拡大する10の理由​​​

GSIA(国際サステナブル投資協会)によると、2016年の全世界の責任投資戦略に基づく運用資産残高は、2年前から25%増加して22兆ドルを超えました。この数字は、環境・社会・ガバナンス(ESG)投資が主流になったことを示す、多くの例の1つに過ぎません。PIMCOでは、以下の10の主要なトレンドが市場拡大に寄与しているとみています。

1. 重要性が増す適切なガバナンス
2008年の金融危機は、文化や行動規範に関する問題の重要性が増していることを、公的部門と民間部門双方に気付かせるきっかけとなりました。企業統治の改善は、規制当局のみならず、アクティブな保有を通じて債券投資家、株式投資家にとっても一段と重要な目標になっています。

2. 公的部門と民間部門の連携の拡大

公的部門と民間部門の連携は、インフラや住宅整備等への対応のみならず、広範な社会、環境問題に対する取り組みへと、広がりをみせています。例として、米国の地方債市場および欧州の政府機関債市場では、政府のビジョンが民間資本による社会投資の促進を可能にしています。

3. 厳然たる現実としての気候変動
地球の気候が変動していることは、今や普遍的に理解されており、(ほぼ)普遍的に認識されています。変動を抑制する方法として、世界の気温上昇幅を2℃未満に抑えることを目指した第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)のパリ協定や、持続可能な投資ポートフォリオの構築のような民間主導の取り組み、気候関連の金融リスクの一層の開示などが挙げられます。

4. エネルギー資源の変化
気候変動以外でも、エネルギー市場において変化が起こっています。よく知られている需給要因が原油市場のダイナミクスに変化をもたらしているほか、天然ガスは石炭よりも安価になり、再生可能エネルギーは発電量の調整が容易になり、価格も低下しています。

5. 技術革新により変化する需要と消費
自動運転の車、公益部門のスマート・メーター、石油ガスの再生可能エネルギー、ネット販売、資産運用業界のロボアドバイザーといったように、経済活動のほとんどの分野において、ビジネスのあり方にパラダイム・シフトが生じています。時代に適応するための潤沢なリソースと意思を備えた企業がアウトパフォームする一方で、そうでない企業には投資リスクが伴う公算が大きいでしょう。

6. ソーシャルメディアによる社会規範の統一化
ソーシャルメディアは、ボーダレスという性質上、各国文化の姿を変える可能性があり、投資家の観点では、消費者の選好の変化、従来通りの投票パターンの変化、新規制に対する需要など、多様な分野で影響が生じています。

7. 高齢化
国際連合によると、2050年までに全世界で65歳以上の人口は23億人に達する見通しです。先進国において平均寿命が伸びるなかで、サステナビリティの問題は、私たちの子供の世代のみならず、年老いて能力が低下する我々自身にも影響するでしょう。気候変動、所得格差、ヘルスケア、脆弱なガバナンスなどの問題は、退職後の資金状況に直接影響するため、一段と身近な問題になりつつあります。

8. 人口構成の変化
ベビーブーマーからミレニアル世代およびジェネレーションXへと影響力が移行しつつあるため、経済界、金融市場、政界の構図は変化しています。女性が半数を占めるフランスの新政権は、その好例と言えるでしょう。若い世代は、「グリーンボンド」市場や金融全般におけるサステナビリティの分野の急速な拡大を後押ししています。

9. 追い風となる新規制
新しい規制においてESGの要素を取り入れる国は増加傾向にあり、クレジットのファンダメンタルズに目に見えた形で影響を与えています。ドイツにおける原子力発電所の閉鎖、欧州市場において劣後債の取り扱いを規定するSREP(欧州中央銀行(ECB)の監督上の検証・評価プロセス)、フランスにおいて金融機関にとってのハードルを上げる気候リスクの報告義務などが代表例です。

10. グローバルなバリューチェーン
PIMCOが今年5月の長期経済予測会議において指摘したように、大企業のバリューチェーンのグローバル化は一段と進んでいます。バリューチェーンは複雑なため、適切に管理しないとコストがかさむ恐れがあります。児童労働問題や人権問題を抱える企業、環境に影響を与える企業、ガバナンスが脆弱な企業は、投資家から直ちに評価を下げられる可能性があります。

このような10のトレンドが、ESG投資の急速な拡大を後押ししています。PIMCOでは、これらのトレンドが当面は持続すると考えています。

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